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オフロード+オンロード＝スーパーモタード！
レースシーンから生まれた
ハイブリッド・スポーツバイク
皆さんはスーパーモタードというカテゴリをご存知でしょうか？軽量なオフロードバイクの車体に、前後17インチホイールとオンロードタイヤを組み合わせた、オン・オフ両方のカテゴリにまたがるバイクです。実は意外と長い歴史があり、1970年代にアメリカで開催された「オンロードとモトクロスとダートタック、どのライダーが一番速いのか？」を決めるオンオフ混合レースがはじまり。その後ヨーロッパに伝播して、モトクロスバイクにオンロードホイールを組み合わせたマシンで競うレースとして定着、現在の「スーパーモタード」というカテゴリになりました。そして、レース人気に伴い公道走行モデルが発売されはじめ、国内では1999年のDトラッカー発売を皮切りに、大きな注目を集めることとなりました。その後スーパーモタードは、公道で扱いやすくエキサイティングな走りが楽しめるということで人気を博し、現在では各メーカーから個性豊かなモデルが発売されています。今回はそんなスーパーモタードをチェックしてみましょう！
国産モタードオールチェック
現在、国産モタードはホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4メーカーすべてから発売されています。ただ、最近実施された新しい排気ガス規制によって、車種数自体は減少の傾向。現時点ではまだまだ程度の良い中古車や新古車も手に入りますが、これも数が少なくなるのは時間の問題です。気になるモデルを見つけたら、早めのアクションが重要になるでしょう。もしかしたら、今が程度の良い車両を手に入れる最後のチャンスかもしれませんよ。
定番人気のベーシックモデル
オフロードの定番中の定番、XR250をベースにしたモデル。絶対的なパワーこそ水冷エンジンには敵わないものの、フラットなトルクと熟成された車体構成によってもたらされるしなやかな乗り味は、XR250モタードならでは。乗り手を選ばない懐の広さで、初心者からベテランまで楽しめます。カスタムパーツも豊富にラインナップされているため、ドレスアップという遊び方が満喫できるのも嬉しいポイント。生産終了となってしまいましたがまだまだ程度のよい車両は多く、これからのライダーにもおすすめできる1台です。
バランス志向で扱いやすい
過激なコンペティション向けではなく、ストリートでの扱いやすさに重点をおいたセッティングで、街乗りからツーリングまで幅広く実力を発揮。エンジンパワーはトップエンドより実用的な中低速を重視した出力特性となっているため、体感の力強さは十分です。高速道路では風圧こそ辛いものの、250ccではできない余裕の巡航が楽しめます。足回りは比較的ソフトなセッティングですが、細やかな調整機能がありハード方向に振ることも可能。レースには不向きですが、街乗り中心の使い方ならモタード中トップクラスの実力を持っています。
親しみやすいシティ派モタード
2008年にデビューしたばかりの最新型。コンパクトなオフロードバイクとして定評のあるXR230をベースとしたモデルで、800mmという低いシート高と、幅を10mm狭めたハンドルなど、専用装備を与えられています。扱いやすさに定評があったXR230ですが、モタードになってもそこは同様。前後17インチの軽快な足回りを組み合わせることで、より親しみやすい性格になっていると言えるでしょう。フルサイズ車両に比べて足つきもよく、構造もシンプルで維持費もかからないことから、モタード初心者の入門用としておすすめできる1台です。
小さくても装備は本格派
ストリートミニとして人気の高いエイプシリーズのエンジンをベースに、吸排気のセッティング変更、専用の足回りによって誕生したミニサイズモタード。小さいながらも装備は本格派で、前後ディスクブレーキのほか、40mm延長されたスイングアームと軽量なアルミホイールを採用しており、100ccクラスのミニバイクの中でも一つ上を行くスペックになっています。エイプベースであることからチューニングパーツも多く、そちらの楽しみ方も豊富。ちょい乗りからディープなカスタムまで楽しめる、隠れた名モタードと言えるでしょう。
はじけるパワーのブランニューモデル
新型エンジンとアルミフレームという、市販公道モデル初の組みあわせでオフロードシーンにあらわれた、WR250Rのモタード仕様。ベースこそWR250Rと同じですが、吸排気系からブレーキ、足回りまで、徹底してモタード用にチューニングされています。また、シート高も25mm低くなっているため、足つき性も向上。現在発売されている国産250ccモタードの中では装備、スペックともトップクラスのパフォーマンスを持っているのも見逃せないところ。本格的にモタードを楽しむなら、現時点で最もおすすめできるマシンかもしれません。
街で楽しいストリートモデル
セロー250をベースにしたストリートモタードがXT250X。市街地を軽快に走りぬける「スタイリッシュ・スポーツ」をコンセプトとしていて、軽快な乗り味が身上です。レースシーンから発展したスーパーモタード同様、オフロードバイク＋前後17インチという形式を踏襲しているものの、街乗りを中心とした性能を採用。また、250ccクラスモタードの中でもっとも低いシート高（790mm）となっているので、足つき性も抜群。ストリートで乗りやすく、気軽に付き合えるモタードがほしいなら、XT250Xはベストな選択肢と言えます。
レーサー譲りのハイスペックが自慢
DR-Z400Sは、現在市販されている国産モタードの中で最もハイスペックなモデルです。水冷DOHC単気筒エンジンは40ps/7,500rpmを発生。141kgという400ccモデルの中でも軽量な車体とあいまって、0-100km/hの加速は大型バイクに匹敵する力強さを見せます。ベースこそDR-Z400Sですが、サスペンションからステム、スイングアームまで専用品を採用しており、まったく別のバイクに生まれ変わったといえるほどのポテンシャルを発揮。国産モタードの中で、もっともレーストラックに近いモデルと言っても過言ではないでしょう。
国産モタードの歴史はDトラから
海外のレースシーンから火がついたスーパーモタードにいち早く着目し、公道に送り込んできたメーカーと言えばカワサキ。Dトラッカーは今に繋がるモタードシーンのはじまりと言えるモデルです。ベースとなった車両は「戦う4スト」と呼ばれた本格派オフロードモデルKLX250。実績のある水冷DOHCのパワーユニットに、専用設定された足回りの組み合わせは、まさに痛快の一言。すでに絶版車となってしまいましたが、まだまだ一線級のスペックです。また、人気モデルだけに、カスタムパーツも豊富にラインナップされています。
生まれ変わったインジェクションモデル
厳しくなる環境規制にあわせてインジェクションを採用し、Dトラッカーがモデルチェンジ。よりアグレッシブなスタイルのDトラッカーXとなって復活しました。カタログスペックでは前モデルよりパワーダウンしていますが、オフロード専門誌GARRRRの調べによれば実測出力は0.5ps差となり、前モデル同様の高いパフォーマンスを発揮しているとのこと。Dトラッカー時代に指摘されていたブレーキ容量の不足も、大径のペタルディスクを採用することで解決。より魅力的なモデルに仕上がっており、注目の1台と言えるでしょう。
ハイスペック・ミニモタード
前後12インチホイールにコンパクトな車体が特徴的なミニサイズモタードがKSR110。イージーライディングが楽しめる自動遠心クラッチ式のボトムニュートラル4速ミッションを採用しており、AT免許でも運転可能です。操作が簡単とはいっても、装備はミニバイクの中でもひときわ充実し。フロントには30mmの倒立フォーク、リヤにはスタビライザー付角型スイングアームとシングルショックを採用。ブレーキも前後に大径ディスクを採用しており、ミニモタードとしてはもっともハイスペックな足回りを与えられています。
気軽に楽しめて奥深いスーパーモタード
スポーツも街乗りもカスタムも
スーパーモタードなら全部楽しめる
今から10年ほど前、国内にはじめて登場したときはまだ物珍しさが先立つカテゴリだったスーパーモタード。しかし、今や街乗りでの需要も高く、比較的手軽に本格スポーツ走行が楽しめるとあって、多くのライダーから注目を集めています。また、ストリートでの人気や近年のXスポーツの盛り上がりで、多数のカスタムパーツもリリースされており、乗るだけなく「いじる」という楽しみ方も広がっています。1台でさまざまなバイクの楽しみ方を味わえるスーパーモタードは、気軽に長く楽しめるバイクと言えるでしょう。ホットなハイスペックから気軽なストリート向けまで、さまざまなモタードが新しいライダーの登場を待っていますよ！
