掲載日:2010年01月15日 特集記事 › ザ・パワーチューニング
記事提供/2009年7月1日発行 月刊ロードライダー 7月号
ヤマハ VMAX 2009
1679cc ボア×ストローク:90×66mm
スズキ GSX 1300R 2009
1340cc ボア×ストローク:81×65mm
カワサキ ZZR1400 2009
1352cc ボア×ストローク:84.0×61.0mm
※ラムエア加圧時は203ps
カwサキ ZX-12R 2002
1199cc ボア×ストローク:83×55.4mm
※ラムエア加圧時は190ps
カwサキ ZX-12R 2000
1199cc ボア×ストローク:83×55.4mm
スズキ GSX1300R 1999
1298cc ボア×ストローク:81×63mm
スズキ GSX-R1100W 1994
1074cc ボア×ストローク:75.5×60mm
カワサキ ZZR1100 1995
1052cc ボア×ストローク:76×58mm
カワサキ ZZR1100 1990
1052cc ボア×ストローク:76×58mm
国内自主規制
■排気量:現在ではあらゆる排気量のバイクが販売されている日本だが、CB750フォア登場直後の'69~'80年代末までは、750cc以上のモデルは自主規制により販売されなかった。だがそれはあくまでも原則で、海外メーカーの輸入車は昔からオーバーナナハンモデルが販売されていたし、'80年代初頭から逆輸入という形で日本製リッターバイクも続々と上陸
■パワー:前述の排気量上限が750ccだった時代は77psまで、オーバーナナハン(その1番手はVMAX)が解禁された'90年以降は100psまでというのが国内向けモデルの自主規制値だったが、'07年7月に自動車工業会と国土交通省はすべてのパワー規制を撤廃。現在は、世界一厳しいといわれる国内の排出ガス/騒音規制に適合させるため、海外向けフルパワー車とは別にエンジン調整を施した仕様を販売する
1885年に世界初のエンジン付き2輪車であるダイムラーが公開されて以来、バイクはパワーを求め進化してきた。
いや、車両メーカーは同時に快適性や操安性なども向上させてきたが、進化の中心はエンジンの出力=パワーで、それがなければ周辺技術も発達しなかっただろう。そしてこのパワーについて、少なくともここ40年間の進化を促進したのは日本車である。というのも、前述したダイムラーの登場から数十年間のパワー向上は比較的緩やかで、'60年代中盤まで50ps台でハイパワーと呼ばれていた。しかし'69年に並列4気筒・750ccエンジンを搭載し、さらなるビッグパワーを誇るCB750フォア(67ps)が登場、一気にパワーアップの流れが始まった。
‘72年、ライバルとなるZ1(82ps)のデビューでこの流れはさらに加速する。'70年代末に登場した2台の並列6気筒車、
CBXとZ1300は、前代末聞のオーバー100psを実現。さらに数年後には、750ccに変わって1000ccが主役となった並列4気筒の世界でも100ps以上が当たり前となり、各メーカーは水冷、4バルブ、ダウンドラフト吸気といった新技術を続々と投入。'80年代末にはパワーウォーズから一時的に離脱したホンダを除く3社の旗艦、FZR1000、GSX-R1100、ZZR1100らが、150ps前後の最高出力をマークする。その後は欧州で噂されたパワー規制に配慮したのか、'90年代前半~中盤、日本車勢の馬力は停滞する。中でも馬力と最高速にこだわり続けてきたスズキとカワサキの沈黙は世界中のライダーを心配させたものの・・・・・・、意外にも、ホンダが生み出した'97年型CBR1100XX(167ps)によってパワーウォーズは再び激化。冒頭で述べた周辺技術の発達(インジェクションを含めた電子制御技術が導入され、ブレーキやサスペンションを含めたシャシーも格段に進化)もあり、そこから10年間のパワー向上は'70/'80年代以上に凄まじく、現行ハヤブサやZZR1400は190ps台をマーク。'09年型で、ついに量産車初の200psに到達したVMAXも、日本車とパワーの歴史を語る上では欠かせない存在といえるだろう。
一方、エンジンの大排気量化などに伴う重量増によりスポイルされた運動性能を回復するべく、'92年型CBR900RR(124ps)や'98年型YZF‐R1(150ps)といった、軽量かつハイパワーのモデルも登場。これらによって、後にリッタースーパースポーツのパワーも驚異的に向上していくことになる。
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