取材協力 / タイラレーシング
掲載日:2009年05月13日 絶版大好きショップ探訪
この記事はZeppan BIKES創刊号掲載の記事を再編集したものです。
絶版車好きなら、「現行の新車にはあまり興味がないけど、もし自分の好きな絶版車がもう一度新車で出たら買う!」こんな冗談を仲間と交わしたことのある人もいるのではないだろうか。既に絶版となった車両を新車で買うことなど、普通に考えれば到底無理な話だ。しかし、可能な限りエンジンや車体をバラバラにし、新品パーツを多用して組み上げるレストアを行って新車レベルに近づけることは部品とノウハウがあれば十分可能だ。
実はそんなプロセスを踏んで、2ストレーサーレプリカを復活させるショップがある。それが浜松のタイラレーシングだ。同店の代表は、かつてヤマハワークスで大活躍した平忠彦氏である。手がける車両はもちろんTZR250Rだ。タイラレーシングでTZR250Rの再生新車プロジェクトを担当するのは栗原さん。そもそもなぜこのプロジェクトをスタートしようと思ったのだろうか。
「今でも平=ヤマハというイメージを持って頂いているお客様も多い中で、タイラレーシングからの新しい提案としてこのプロジェクトをスタートしました。私自身、TZRには相当の思い入れがありますから、どうしてもやりたかった」
2年ほど前にスタートしたプロジェクトは当初、ベースとなる車両を同店で探し出してコンプリート車として販売するスタイルだったが、当時からTZRを所有するファンからの要望で現在では車両持込でのプランも用意されている。タイラレーシングでのTZR再生プランのコンセプトは「当時よりも気持ち良く走れるマシンを作る」というもの。ただ新品部品を使って組み上げるのではない。TZRが現役だった当時から現代までのタイムラグを埋めるべく、必要に応じて最先端のパーツを組み込むことで、TZRの持ち味をさらに引き出そうというわけだ。栗原さんによれば同店でこれまで車両をオーダーした人の全員が当時の思い出を持った人だという。
タイラレーシング
栗原崇 Takashi KURIHARA
車両を解説する栗原さん。彼の熱い思いなくしてこのプロジェクトは実現しなかった。
TZR250コンプリートの基本価格は129万円から。今回の撮影車両はフルオプション装着車である。なお、同店では定期的に試乗会も開催中。最新情報はWebでチェック。
加えて納車したユーザーのほとんどが、今でもガンガンに走り回っているというから、「当時よりも気持ち良く」という同店のコンセプトは実に的を得たものといえる。コンプリート車両販売にしても、車両持ち込みにしても100%オーダーメイドが基本だから、予算に応じてプランを進行できるのも魅力的だ。
もう一度当時の性能を味わいたい…そう思うのなら、手持ちの愛車が朽ちてしまう前に、そして新品部品が手に入る今のうちにリフレッシュしてみてはどうだろうか。もう二度とこんなチャンスはないかもしれない。
クイックファスナーで固定された外装を剥がすと、隅々まで磨き上げられた車体が目に入ってくる。フレームペイントはオプションだがこの仕上がりを見れば、どれだけ大きな効果があるかは一目瞭然。
同店が販売を手がけているMVアグスタやヤマハの新車も並ぶショールームにTZR250コンプリート車もディスプレイされている。そんな中にあってもTZRは輝きを放つ。
バラしたエンジンの状態をチェックする栗原さん。当時からTZRを数台乗り継いできただけに、豊富なノウハウを持っている。
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