掲載日:2010年04月08日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
国内の2輪市場において、根強いファンを持つクルーザーカテゴリ。その中でも普通2輪免許で楽しめる400ccモデルは人気が高く、メーカーそれぞれの個性が表現されたモデルが発売されている。スズキからは3車種がラインナップされており、今回インプレッションする「イントルーダークラシック400」はその中心となるモデルだ。大排気量マシンを思わせる堂々とした車格に、環境基準に対応するインジェクション仕様の水冷OHCVツインエンジンを搭載。豪華なメッキパーツに包まれた、圧倒的な存在感が特徴だ。試乗ではクルーザーならではのゆったりとした走りはもちろん、このクラスで最もドレッシーと言えるスタイルにも注目。“走る”というバイク本来の目的だけでなく、“所有する喜び”に繋がる上質な美しさがどれほどのものか、じっくりと確かめてみたい。
ビッグバイクに勝るとも劣らぬ車格を持つイントルーダークラシック400だが、その素顔は意外なほどフレンドリーだ。このカテゴリのバイクらしく足着きの良さはもちろん、操作感が軽快なことに驚かされた。1,655mmというロングホイールベースに装備重量で275kgという巨体だが、乗っている限りはほとんど重さを感じさせない。ステアリングもどちらかというと軽やかな味付けで、クラッチレバーも軽快。操作感としては混雑する街中で扱っていてもストレスを感じないレベルにまとめられており、旋回時の倒し込みにも重さを感じないため重量車に乗っているというビハインドは無かった。また、車体全体は大柄なものの、ポジションはコンパクトに設定されているのも特徴。大きくプルバックされたハンドルバーと、タンク側が絞り込まれたシートを採用しており、小柄なライダーや女性でも安心して乗れるポジションとなっている。このクラスで最大級となる車体サイズから、一見すると取っ付き難いように思えるかもしれないが、なかなかどうして、イントルーダークラシック400は非常に軽快で扱い易く仕上げられている。
その一方で、このカテゴリならではのクルージング性能も十分なレベルだ。標準装備のフットボードに足を置き、クッションの効いたシートに身体を預ければ、ゆったりとした走りを存分に楽しむことが出来る。エンジンの動力性能は排気量に応じた標準的なものだが、面白いのはその味付け。車両重量との兼ね合いもあるが、低中速トルクで強く押し出す性格ではなくスロットル開度に応じてソフトに駆動力が立ち上がってくる。スタートダッシュでは若干物足りない部分もあるが、クルージングになるとこのジェントルなエンジン特性がありがたい。優しい鼓動と穏やかなトルクの波に浴するような感覚で、疲れ知らずのロングクルージングを楽しめてしまう。力強い加速やハイレベルなコーナリング性能ばかりがバイクの評価を左右するものではない。こういった心癒すゆとりある走りもバイクが持つ大きな魅力。余裕ある車格に扱い易さとジェントルなフィーリングを備えるイントルーダークラシック400は、普通2輪免許で楽しめる優秀なクルーザーのひとつと言っていいだろう。
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