掲載日:2010年07月08日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
経済性が高く便利な乗り物として、近年注目が高まっている原付2種スクーター。国内外のメーカーは揃って意欲的に新モデルを投入しているが、一方で熟成を続けているスタンダードな車両も存在する。20年近い歴史を持つホンダの「リード」はそう言ったシリーズの一つで、発売当初から経済的で実用性のある手軽な乗り物というコンセプトを貫いている。今回試乗する同シリーズの最新作「リードEX」は、先代モデルであるリード110の装備を一部簡略化しながら、実用性はそのままに新たな機能を盛り込んだモデル。ホンダの定番原付2種スクーターの実力を、さっそくチェックしてみよう。
リードEXは実用性を重視し、コミューターとしての性能を追求した1台。楽しむという用途に即した性能を重視するのでは無く、毎日の生活を便利にするための道具としての作り込みがなされている。搭載されている水冷OHCエンジンもそう言った考え方に則り、扱い易いパワーデリバリーが印象的。低速トルクを重視したセッティングだが、開け始めから一気に加速するのでは無く、スロットル開度にあわせてマイルドに立ち上がってくるようになっている。回転の伸びは、ホンダ製エンジンらしく非常にスムーズで加速性能も十分だが、乗り手に伝わる感触はあくまでも穏やかなもの。また、エンジンの静粛性が高く、振動も低減されているのも特徴的で、一昔前のスクーターが横に並ぶと静かさが際立っている。燃費は実測でリッター38km前後。今回のテストでは特に混雑した東京都23区内を中心にテストしたため、もう少し交通の流れの良い場所なら40kmを越えることも難しくはないだろう。
足回りの設定は、エンジンの性格にあわせたソフトな仕上がりだ。特に常用域でのセッティングは絶妙で、路面からの衝撃をやわらかくいなしてくれるため、疲労感が非常に少ない。ハードに走り込んだ場合はサスペンション容量に不足を感じるが、街中のライディングで不満に思うことはまず無いはず。気になる新採用のフロント3ポッドキャリパーだが、こちらの感触はなかなか良好だ。先代モデルよりリアブレーキとフロントブレーキの連動がスムーズになっており、より安心感のある制動が可能。低燃費で扱い易いエンジンに、乗り心地の良い足回り、確かなブレーキ性能と、リードEXのコミューターとしての総合性能は高い。経済的で便利な乗り物を探しているなら、リードEXは選択肢の上位に入れておいて間違いは無いだろう。
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