掲載日:2011年03月18日 公道スペシャリスト“白バイ流” 究極の安全運転テクニック
常に沈着冷静で威風堂々とした走り。そしてひとたび事件が発生すれば疾風のように現場に駆けつける…。「白バイ」は誰もが認める公道走行のスペシャリスト集団である。その極意とはいかなるものか。2009年度全国白バイ大会のチャンピオン、千葉県警の笹野巡査長を講師に迎え、ストリートを安全確実に走り続けるための考え方やノウハウをお伝えしよう。
“地味な走り”が
成功のヒケツ
白バイが任務を行う場所は舗装されたアスファルトだけとは限らない。必要とあらば、大きな石がゴロゴロとあるような荒地にも分け入らなければならないことも。こうしたガレ場は勢いで走破しようとしないこと。一定のスロットルとクラッチ操作、そして乗り手が体全体をサスペンションのように使って衝撃を吸収するようにしたい。
白バイ隊員はオフロードでの訓練にもオンロードと同じぐらいの時間を割いている。白バイの任務では不整地を走ることを想定していることも理由だが、それ以前にバイクという乗り物の基本特性を知り、バランス感覚を養うためのトレーニングとしてオフロードは有効だからだ。
特に大きな石が転がっていたり岩が露出しているようなガレ場では、バイクの姿勢を安定させるための微妙なスロットルワークとバランス感覚が重要になる。
「路面の不安定なガレ場ではスタンディングが基本になります。ある程度バイクに身を任せるつもりで上体の力を抜きつつヒザと肘を軽く曲げて、体全体で路面からのショックを柔らかく吸収するようにしてみてください。スロットルも煽ったり閉じたりせず、なるべく一定速度のままグリップ走法で“タイヤを転がしていく”イメージを持つといいでしょう」と笹野巡査長。
バイクには加速すると安定を取り戻す性質があるが、ガレ場で無闇にスロットルを開けると石を飛び散らせるだけでなく、滑りやすい石に乗ってかえってバランスを崩しやすい。基本的にはスロットル一定のまま、半クラとリヤブレーキを穏やかに使って速度をコントロールするイメージだ。止まらないことも大事。足場が悪い場所や登り坂などでは、一度ストップしてしまうと再スタートが難しい上に、転がる石に足をとられてケガをするリスクも高まる。
また、タイヤのグリップが期待できないガレ場では、バイクをなるべく寝かさずに曲がることもポイント。車体は立てたままハンドルを切って曲がることになるが、その際はハンドル操作とステップワークでバランスをとる。この場合、若干リーンアウト気味に上体をアウト側へ移動しつつ外足荷重にするとバランスをとりやすいはず。ハンドルが取られそうな激しいガレ場では直線的に走って、比較的路面コンディションのいい場所で方向転換するのが賢い方法だ。まずは自分でも自信が持てる簡単なコースで、無理のない範囲で練習してみてほしい。
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