掲載日:2009年06月15日 ライダー考現学
私のツーリング仲間は、分かれ道では必ず難しそうなルートを選択するし、日程を決めるときには常にタイトなスケジュールを強行しようとするので困っています。せっかくのツーリングなんだから気楽に行けばいいのに、どうしてこんなマゾヒスティックな選択肢を選ぶのでしょうか。
静岡県在住 RよりSが好きさん(BMW F800S所有)
「バイクは壊れるくらいが可愛い」「旅は迷うから面白い」などという名(迷)台詞を語るだけでなく、台風が来るのにツーリングに出かけたり、日程に余裕が無いのに弾丸ツーリングに挑戦したりと、実際に行動してしまうマズヒスティックなライダーたち。普通に考えれば旅は余裕を持って楽しみ、道は気楽な方を選ぶのがリラクゼーションというものだが、休日にバイクで遊ぶという絶好のチャンスをドMなルートと日程で自ら踏みにじってしまうのはナゼなのか。だがその裏には、ライダーだけが感じる特殊な快感があることは、一般的にあまり知られていない。
駐車場問題から騒音規制、あげくの果てにはクルマと比べて3Kとまで言われてしまう、バイクという乗り物を楽しんでいるライダーに対する世間の風は冷たい。つまり、自らその道へ進んだ彼らにとって、通常運行からしてすでに逆風でマゾヒスティックなものなのだ。慢性的に続く刺激に体がなれるように、常に虐げられているライダーにとって、遠くまで頑張って走るといった程度の苦労では何の刺激にもならない。「たまにバイクで遊ぶときくらい新鮮な刺激を受けたい」がゆえに、思わずドMな選択をしてしまうのだ。とはいえ、ドMが1周してドSになることがあるように、行き過ぎた生態もいつ何時普通に戻るか分からない。日本のバイク環境が改善され彼らがドMから目覚めた暁には、そっとまろやかなツーリングを提案してやってほしい。
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