掲載日:2008年08月13日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
世界で最も有名なバイクの
「リトル」バージョン
世界でもっとも有名な日本製バイクと言えば、間違いなく「スーパーカブ」シリーズだろう。累計生産台数はすでに6000万台を超え、輸送機器の単一シリーズとして世界最多の生産量と販売台数を誇っている。そのスーパーカブが、2008年8月に、生産50周年を迎えた。「おそば屋さんの出前の方にも楽に運転できるバイク」を目指して開発されたこのバイクは、シンプルでタフな造りと、他を圧倒するほどの低燃費によって、今や世界中で愛されるバイクとなっている。今回試乗するのはそんなカブシリーズの中でも、小径ホイールを採用することで、より乗りやすさを重視した「リトルカブ」。車体色も特別仕様の50周年記念カラーとなっており、ビジネス的ではない明るい雰囲気が特徴だ。普段大型バイクに乗っていても、ちょっとそこまで…にはなかなか使えないもの。かといって、折角のセカンドバイクがあまりに日常的過ぎても、それはそれで面白くない。それならば、カブシリーズでありながらストリート的なテイストで、操る楽しさを予感させるミッションを持つリトルカブは面白い選択肢と言えないだろうか。リトルカブの試乗を通して、世界で最も有名なバイクがどれくらいの実力を持っているのか、早速体験してみることにしよう。
小さなボディに詰め込んだ
熟成された機能性
リトルカブは、現在発売されているバイクのラインナップの中でもかなり小さな部類にはいる。標準モデルであるスーパーカブのホイールが17インチであるのに対し、リトルカブは14インチ。シート高でおおよそ3cmほど低くなっているため、足つきの良さはかなりのもの。また、車体自体もコンパクトに作られており、同じカブ同士で並べると一目瞭然の小ささだ。その分重量もおさえられていて、取り回しやスタンドかけも楽に行えるので、女性や小柄な方でも安心して取り扱えるだろう。車体色はスーパーカブに比べてビビッドな色合いが多く採用されており、「いかにも実用車」となっていないところも魅力的。海外のお洒落なモペッドのような雰囲気だ。
もちろん、長い歴史を持つスーパーカブシリーズに名を連ねているだけに、見た目だけでない。49ccの空冷4サイクルエンジンはEFIを採用し、低燃費だけではなく環境性能も向上。開発当時からの「片手で操作できる」部分はそのまま継続されているため、スイッチ類はほぼ右手だけで操作可能になっており、非常に機能的だ。また、頑丈なリアキャリアが標準で装備されているほか、肉厚で振動の伝わりにくいゴムステップや、靴を傷める心配をせず安心して踏み込める3速ロータリーミッションを搭載。履物を問わないこの部分も、スーパーカブならではの良さだ。また、風を和らげるレッグシールドはそのままエンジン導風板の役割を果たしており、エンジンの冷却に貢献している。カラーやサイズなど、現代のニーズにあわせたルックスと、昔から愛される使い勝手の良さが融合しているのが、リトルカブならではの特徴と言えるだろう。
歴史的な50周年記念エンブレム
スーパーカブシリーズは生産開始からすでに50年。リトルカブの50周年スペシャルは記念エンブレム付き。日本のバイクの歴史を受け継いできたことを感じさせてくれる。
パワフルで低燃費なFI搭載エンジン
リトルカブに搭載されるのは、PGM-FIを搭載した4ストローク単気筒49ccエンジン。リッター60km以上の燃費を達成するエコなエンジンでありながら、満載の荷物にも負けないパワフルさが魅力。
足つき抜群のシート高で安心
シート高は705mmという低さ。これは一般的なスクーターよりもさらに低く、おそらくほとんどのライダーの両足がべったりと着くはず。この低さが街中での安心感につながっている。
視認性良好なメーターは記念文字入り
50周年記念の文字がうれしいメーターは、小さいながらも視認性がよく、機能的にも申し分ないもの。大人の拳ほどのスペースに、速度計から燃料警告等、インジケーターまですっきりと収まっている。
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