羽田空港の国際化や、新幹線の品川駅開業で急成長している、品川区にファクトリーを構える『ジュエルマシーンズ』は、8年前に代表の為谷(ためがい)泰夫さんが独立開業し、ハーレーのカスタム車両の制作販売をメインに展開している。バイク乗りの視点に立ったサービスが好評で、カスタマーは全国に存在している。
「立地は良いですが、地方にもユーザーがいるのであまり関係無いかもしれません。インターネットをキッカケに問い合わせをくださる人が多いですね」
遠方のユーザーとはネットや電話でのやりとりが多くなるため、顔を合わせないことも増えてしまう。だからこそ丁寧な対応を心がけているという。
「顔も見たことがない、会ったこともない人物から200万円以上するバイクを買うワケです。だから質問や要望にはできる限り応えています。信頼して、安心していただいてから契約しています」
カスタム車両は、オーダーから納車までだいたい約3ヶ月かかる。遠方で来店できないユーザーのために、カスタムの途中経過を画像で送ったりもしているのだとか。また納車も、できる限り自分で赴き、直接届けるようにしている。
「直接会って、顔を見て、握手して、お客さんの喜んでいる姿を見るのが、なんだか嬉しいんですよ」
制作するカスタムはシンプルなチョッパースタイルが基本。8割がた仕上げてからストックし、ユーザーの希望を聞いてディスカッションしながら完成させていく。自社でペイントもおこなっているため、臨機応変に対応できるのが強みだ。
「最先端のカスタムパーツをふんだんに使った、豪華なカスタムを手がけていたこともありましたが、時代とともに自分の目指すスタイルが変わってきたんです」
乗り手の理想とするカスタムを現実にしたい、と考えるようになった。ベースはエボリューションエンジンのソフテイル、ダイナ、スポーツスターなどがメインだ。
「ツインカムは高価なのでコストを抑える意味もあります。でも、それだけではなくエボリューションはハーレーとして完成したエンジンだと思うんです。高品質で壊れにくい。しかも、美しい。アートの部分でもカスタムしていくにピッタリ。それにやっぱり好きなんでしょうね(笑)。エボリューションの初期型から最終型までリアルタイムに触っているので…。“うわ、こんなエンジンが出たんだ”って、当時は感動しましたよ」
オリジナルで制作販売しているカスタム車両はエボリューションがメインだが、持ち込み車両のカスタムにも対応。また幅広い年式に対応してくれる。
「もちろんツインカムやショベルも大歓迎。ウチのスタイルを好きになってくれたら嬉しいですね」
こだわりはデザインと質感。ベースとなるカスタムの品質を下げずにコストをよくしていくことが毎回のテーマになっている。特別な富裕層に乗って欲しい訳ではない。普通のバイク好きに親しんで欲しいからだ。それは、愛車を購入した後の維持についても同じだという。
「車検や保険も手がけています。特にカスタムバイクは車検が通りにくいと言われていますし、ショップに依頼すると料金が高かったりします。その点、ウチはかなりリーズナブルに対応していますよ」
カスタムハーレーのある生活を楽しんで欲しいという。
「やっぱりハーレーのカスタムって楽しい! 長年やってきて結局そこにたどり着いたんです」
ジュエルマシーンズの手がけるフルカスタムは、エボリューションエンジンを搭載したソフテイル、ダイナ、スポーツスターをベースにしたシンプルなチョッパーが基本。ユーザーが理想とするカスタムをスタッフとディスカッションしながら、予算や交通事情にあわせて現実のスタイリングに落とし込んでいくのが同店の流儀だ。
今回紹介するソフテイルの場合、74スプリンガーフォークにディスクブレーキ、ミッドコントロール、純正フレームのリアストラット加工、サドルシート、ショートリアフェンダーなどが基本のセットアップ。ノスタルジックなディテールを盛り込みながらも、上品な質感でモダンな印象を与えている。
品質と安全性にもこだわり、スタッフによるテスト走行を100kmほど繰り返し、整備点検を終えてからの納車となる。
ジュエルマシーンズ
住所/東京都品川区平塚2-11-12
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