ホンダのCB750やカワサキのZを中心に、国産旧車がズラリと並んだ『コンボイ』は、名古屋に店舗を構えた国産旧車・絶版車を得意としているスペシャルショップだ。独特の造形美を持つ旧車は今なお多くのファンを魅了してやまない。が、国産旧車と言うと、トラブルが付きまとい、何となく「乗ることが出来ないんじゃないか」と思う人が大半だろう。しかしコンボイでは、年間にして130台ほどの国産旧車の販売実績がある。つまり、毎年それだけの人が新たに旧車に乗っているという証だ。
「確かに古い車両だと不安な部分は多いですよね。でもその不安な部分をひとつずつ取り除いてあげればいいんですよね。例えば皆さんがよく心配されるのはパーツですね。これは現在、パーツを製作しているショップがありますし、メーカーからもまだ出るのもあります。あとは支払い方法だったり置き場所だったり。お客さんと話をしていると、何がネックになるのかが見えてきます。それを一緒に解消していけば“自分でも所有できる、乗れる!”と考えられると思います」
置き場はあったとしても、ガレージは無いという人にも所有可能なように、コンボイでは会社の裏に自社のセキュリティ付きの巨大ガレージがあり、普段乗らない人には有料で保管することが可能だ。こうして販売した後も、お客さんが乗り続けられるようケアをしっかりしてあげているのが特徴なのだ。
また、客層も幅広い。20代前半から年配の方まで様々な人が訪れる。若いユーザーに関しては口コミが大半だとか。
「周りの先輩が乗っていて自分も乗りたいという人が多いですよね。で、身近にちゃんと旧車に乗れている人がいると安心するじゃないですか。僕らがあれこれ言うよりも、自分たちのお客さんがちゃんと乗れている。これが一番大切だと思うんですよね」
また、コンボイには代表の志賀氏を含め10名のスタッフがいる。営業、メカニック、広報などそれぞれに分かれている。しかも残業をしないことを徹底しており、スタッフの休日もきちんと確保されているのだ。これには代表の志賀氏の働き方にきちんとした哲学を持っているからである。」
「しっかり自分の時間をつくって遊ばないと、いい仕事は出来ないんですよ。同じことばっかりやっているとマンネリしちゃう。僕だってそうですよ。残業も効率は下がるし、いいことないと思うんです。色んな場所に出かけて、色んな経験をしてもらうことで、仕事にフィードバックできると思っています。要はバランスが大切なんですよ」
と笑う。これは見習うべきワークスタイルだ。日本人は残業することがまだまだ美徳と捉えるのが根強いが、仕事のパフォーマンスは明らかにダウンする。仕事のあり方をきちんと考え、スタッフが胸を張れるような環境を提供しているコンボイだからこそ、ユーザーのことも徹底的に考える。何を求め、何を不安に思っているのか。もし旧車に乗りたくて思い留まっている日々を送っているなら、迷わずコンボイに行ってみるといい。もやもやとしたものが消え、旧車を所有するということに現実味を帯びてくるはずだ。
店内はまるでミュージアムのように国産の絶版旧車がキレイに展示されている。どれも当時のまま美しく光り輝き、いつでも連れ出してもらえるよう佇む姿はうっとりと見とれてしまうほうど。店内の奥にはメーカーのデッドストックパーツが豊富に確保され、例え小さなパーツでも注文がきたら対応できる体勢がきちんと出来ている。
名古屋にはいくつか絶版旧車のショップがあるが、他とも友好な関係を築いている。お客さんがバイクに乗り続けられるよう月に1回は集まるというから驚きだ。競合として争うのではなく、手を取り合っている。また、店名の“コンボイ”は、あのアメリカのトラックから由来する。これは代表の志賀氏が昔から好きであり、実際にトラックに乗っていた経験もあるからである。
コンボイ
住所/愛知県名古屋市天白区中平5-2104
TEL/052-805-7210
FAX/052-805-7410
営業/10:30-20:00
定休/火曜、第4日曜・月曜
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