ホンダの最新ラインナップを取り揃えている『TSR白子』は、鈴鹿サーキットのお膝元、三重県鈴鹿市にショップを構えてから3年が経つ。もともとは、テクニカルスポーツレーシング（TSR）のバイク販売店だったが、分社化し現在の形態となった。

母体のTSRはホンダのプライベーターとして、鈴鹿8時間耐久ロードレース（8耐）などで活躍しているチーム。レースへの参戦とレースマシンの製作、オリジナルレーシングパーツの開発などを行っている。2006年、2011年、2012年の8耐で優勝している強豪だ。

「レースがあるからこそバイクが好きですし、レースがあるからこそ長くこの業界にいられるのかなと思っています。それが仕事へのやる気やモチベーショの源になっていますね」

そう語るのはTSR白子の代表、濱端浩司さん。同店ではTSRのレース活動で得た技術や製品を、カスタム製作などに役立てている。スポーツモデルをベースに、8耐仕様に近づけたカスタムバイクのファンは多い。

レンタルサービスは好評となり、いろいろなバイクに乗ってみたい人、欲しいバイクが自分に合っているか確かめたい人など多くの人が利用する人気のサービスとなった。これがきっかけで気に入ったバイクを購入した人も少なくない。そして気に入ったバイクだけに長く乗ってもらえるのだという。

そうした活動もあって、TSR白子には幅広い客層が集う。誰もが気軽に来店できる、親しみやすく楽しい雰囲気の店舗を目指す。そして安心して愛車を任せられるよう、日々サービスの向上に努めている。

「スタッフ全員ホンダのバイクが大好きなので、お客様と意気投合することが多いです。スポーツバイクが多いのですが、スクーターや実用車に乗るお客様にも安心、安全に乗っていただけるサービスをお届けしたいですね」

TSR白子では新車だけでなく中古車の販売にも力を入れており、ショップ2階が中古車を展示販売するエリアになっている。そこに並べられた車両は、自分たちが自信を持って薦められる中古車だけを厳選して揃えているという。

入庫した車両はすべて可能な限り整備されて、しっかりよく走る車両を提供することを常に心がけている。そのラインナップはスクーターや実用車から、ミドルクラスのスポーツバイク、リッタークラスのビッグバイクやクルーザーと様々な車種を取り揃える。

また県内だけでなく、県外から来店して購入するお客様も多い。なかなか来店できないオーナーのためにも、愛車が故障で困ることがないよう点検整備に余念がない。

右の写真（上から2枚目）は、2012年型 HONDA CBR1000RR をTSR流にカスタム。フロントにはチームカラーであるF.C.C.ブルーに塗られたFRPの耐久レーサー風フルカウルを（撮影時は塗装中）、フロントフェンダーはカーボンで耐久レーサー風に加工して装着。ガソリンタンクは純正よりもレーシーなフォルムのTSR製。エンジンはフルパワー化され、排気システムはTSRオリジナルのステンレスフルエキゾーストパイプとチタンのサイレンサーを組み合わせている。前後ホイールはマルケジーニ製最新アルミホイールで、ブレーキはブレンボ製で装備。フットコントロールはTSR製ワンプレートタイプ。スイングアームを加工してレーサー風のスタンドフックを取り付けるなど、本格的な8耐仕様カスタムとなっている。

整備とサービスの一環として、TSR白子が力を入れているのが定期点検だ。バイクはろくに点検もせず乗りっぱなしだと故障や事故につながる。トラブルを未然に防ぎ、ユーザーに快適なバイクライフを送ってもらえるよう、定期的な点検を積極的に呼びかけているのだという。

そうすることでトラブルの予兆を早めに発見・修理することで、ユーザーの出費を最小限に抑え、走行時のトラブル発生を未然に防ぐのだ。

いまではその成果が表れ、以前よりも多くのユーザーがバイクを点検に持ち込むようになったという。ショップではバイクをしっかり整備することで、信頼を得られるよう努めている。