ホンダ（HONDA） CTX1300のバイク愛車レビュー

ホンダCTX1300は、その存在感ある車体がまず大きな魅力です。大型バイクならではの堂々とした車格を備えているため、走行中にあおられることはほとんどなく、安心して走り続けることができます。さらに、標準装備のパニアケースは荷物の積載に困ることがなく、ツーリング用途において非常に頼もしい存在です。

シート高は低めに設定されているため足つきが良く、取り回しも安心して行えます。シャフトドライブとV4エンジンの滑らかな特性によって長距離運転が楽で、高速巡航でも疲れにくいのが特徴です。加えて、ABSやトラクションコントロールといった電子制御が標準装備されているため、安全性の面でも高い信頼感があります。

そして何より、このバイクは街中でほとんど見かけることがない希少車です。そのため所有する満足感は非常に強く、人と違う一台を求めるライダーにとって大きな魅力となっています。

ホンダCTX1300にはいくつかの欠点も存在します。まず、ミラーが固定式で調整ができないため、半分は自分の手が映り込んでしまい視認性が悪いという問題があります。さらに外観がゴールドウイングに似ていることから、バイクに詳しくない人にはしばしば間違えられてしまい、独自性が損なわれがちです。

また、このモデルはすでに国内外で生産終了となっているため、パーツ供給や整備面で不安が残る点も見逃せません。車重が約338kgと重いため、取り回しには慣れが必要で、街乗りでは扱いづらさを感じることもあります。加えて、大型V4エンジンの特性上、燃費はリッター17～19km程度と平凡で、軽快さを求める人には物足りないでしょう。

このバイクは販売台数が少なく希少車であるため、中古市場で状態の良い個体を探すのは容易ではありません。走行距離や整備履歴をしっかり確認することが大切です。また、オーナー数が少ないため情報交換できるコミュニティも限られており、カスタム事例や整備ノウハウを得にくいという側面があります。

維持費についても考慮が必要です。大型バイクであるため保険料や税金はそれなりにかかり、燃費もリッター17～19km程度と平凡です。趣味として割り切れるかどうかがポイントになります。さらに、車重が約338kgと重いため、狭い駐輪場や段差の多い環境では取り回しに苦労することもあります。購入前に自宅やよく使う場所の駐車環境を確認しておくと安心です。

希少車ゆえにリセールバリューは高く期待できないため、長く乗る前提で選ぶ方が納得感があります。つまり、CTX1300は「人と違う一台を所有する喜び」を味わえる反面、維持や情報面で孤独を感じることもあるバイクです。これらを理解した上で選べば、所有する満足感は非常に大きなものになるでしょう。