ホンダ | HONDA PS250
ビッグスクーター人気の中で登場した、変わり種モデルのPS250。初登場は2004年6月のことだった。当時、ホンダ社内に存在した若者向けモデルの開発チーム「Nプロジェクト」が手掛けた5番目のモデルであり、初の原付ではないモデルだった。Nプロジェクトのモデルとしては、エイプ、ズーマー、バイト、ソロの4機種が先行しており、PS250のパイプフレームライクな構成は、ズーマーを意識したものであるのは明らかだった。ズーマーが、原付スクーターにとって当りまえの装備となっていたメットイン機能をなくしてしまったように、PS250も収納スペースを廃し、カウルも取り払うことで解放感のあるライディングを実現したが(乗っていると自動変速のアメリカンモデルのようだった)、見た目のインパクト以上の特徴が語られることは少なかった。翌年末にはマイナーチェンジを行ない、ズーマーと同様の丸目2眼のヘッドライトを採用。しかしパイプフレームの部分とボディが同色となり、ズーマーっぽさは薄められていた。その後、平成18年排出ガス規制への対応を前にモデルライフを終えた。搭載されたエンジン(型式MF04E)は、249ccの水冷4スト単気筒OHCエンジンで、フォーサイト用のエンジンをベースにしたものだった。なお、PS250の車名は、ピックアップ・スクーターの頭文字。タンデムシートを起こしてバックレスト(背もたれ)として使えば、タンデムシートのあった部分に大きな荷台が現れることから、ピックアップトラックのようだとされたことに由来した。