MT-09トレーサーは、2015年に発売されたクロスオーバータイプのツアラーモデルだった。MT-09という冠がついているように、ベース車両はネイキッドスポーツのMT-09(2014年-)だった。この当時、ヤマハは、「基本プラットフォームを利用したバリエーション展開の拡大」を掲げており(Sport Multi Tool Bike)、NMT-09派生のモデルが登場するのは、その方向性に沿ったものだった。そのため、慣性トルクを減らし、燃焼でのトルクを効率的に引き出す「クロスプレーンコンセプト」で開発されたCP3エンジン(888ccの並列3気筒エンジン)などは共通で、アップライトなライディングポジションと、ハーフカウル&ウインドスクリーンが備えられていた。また、MT-09がスーパーモタードの利点をネイキッドスタイルにクロスさせたシャシー特性を持つことから、MT-09トレーサーもそのキャラクターを受け継いでおり、軽快なハンドリングが与えられていた。2017年モデルではクラッチ操作を軽くするアシスト&スリッパークラッチの装備やトラクションコントロールの切り替えを、オンオフだけでなく、強/弱も可能とするなどのマイナーチェンジを受けた。2018年に、再び仕様変更をうけたが、この際に、モデル名をMT-09トレーサー改め、「トレーサー900」となった。両車は地続きのモデルではあるが、バイクブロスでは稿を改めた。