ハスクバーナ（Husqvarna） SM 570Rのバイク愛車レビュー

まずレーサーなので、軽量&ハイパワーである事。「走り」に特化した車両であること!
加速性は大型車SSや2stに比べると全く、大したことありませんが、軽い為、路面が悪い時でも全く不安感なく滑らせて行けます。非常にクセが強いですが、路面への食いつきは抜群です。下手でも車両が勝手に走ってくれます。峠なんかでは、非常に気持ち良く走る事が出来ます。

渋滞にはまると、冷却水はほぼ100%吹きます。市販車の様にアイドリングしっぱなしはご法度!　神経を常に使っていないと、すぐに冷却水が空になり、大変な事(エンジン焼きつき)になります。

始動がキックしかないため、渋滞中、途中でエンジンを切るわけにもいかず、街中では、常にラジエーターに風をあて冷やしながら走るという
非常に「慌てた」運転を強いられます。結構危ないです。慣れれば、誰でも一発始動できますが、道路上でエンストすると、ビッグシングルは上死点を出さなくてはいけないので、すぐに再始動出来ません。

高速巡航性が低い!! バランサーがないため、120km/h以上出すととんでもなく「不快」な振動が続きます。エンジンにもあまり良くなさそうで、高速道路を走るときは、かなりハイギアードにしなくては駄目です。

また、非常に純正部品の値段が高い!! こんなんで距離走ったら、すぐにエンジン全バラ交換しなくてはいけなくなり、お金がなくなります。

「走り」だけに特化するのであれば、間違いなく素晴らしい車両であります!

しかし、日常の使い勝手(街乗り・ツーリング)を考えると不便な事が多いです。慣れれば、始動も高速巡航もある程度我慢出来ますが、ランニングコストが非常に高いので、タラタラ走らせるのは勿体ないし、高速道路で距離が行ってしまうとすぐに数万キロ走ってしまうので、おススメ出来ません（2stより遥かにお金がかかります）。

そして、一番の理由ですが、修理も簡単な2stモトクロスとそこまで「加速性」が大きく違いません(驚)! つまり非常にお金のかかる4stレーサーであるくせに、お手軽・修理費も安い250と加速性に於いて「大差」がないってことです。

競技をするのでなければ、2st250をモタードにする方が費用も安く、気楽に乗りまわせて、ツーリングも楽しめます。つまり、レーサーはレーサーです。「レーサーを街乗りに出来ないか?」と思っている人、沢山いると思いますが、一度乗ってみると良いでしょう(^^)

乗らなきゃ、この扱いにくさも分からないはず。そして、普段の街乗りでこの装備とポテンシャルは出番がまずなく、勿体ないこと限りないです。