カワサキ | KAWASAKI ZZR250
カワサキ最高速旗艦モデルとして、1990年に登場したZZR1100(ZZ-R1100)には、小排気量版のシリーズモデルが設定された。1990年3月に発売されたZZR250(ZZ-R250)は、その最小排気量モデルだった。エンジンは、GPX250Rゆずりの248cc並列2気筒DOHCユニットで、前後のウインカーがウイング上に伸びているところなど、フルカウルのデザインは、ほぼZZ-R1100を踏襲したもの。これは同年登場のZZ-R400や輸出専用のZZ-R600とも共通だった。シリーズリーダーのZZR1100は、初期のC型からD型(1993~)へ進化、その後ZZR1200(2002~)、ZZR1400(06~)とモデルチェンジを重ねていったが、ZZR250(ZZ-R250)は2007年の最終モデルまで、ZZ-R1100ゆずりのスタイルを変えることなく、大きな仕様変更もなく、長いモデルライフを送った。とはいえ、2000年と2001年は、生産が休止されていた。これは排出ガス規制に対応するためのもので、2002年モデルとして復活した際は、カワサキの排気ガス浄化システムである「KLEEN」を搭載していた。ZZR250のモデル末期、2000年代は、国内250ccクラスにおける唯一のフルカウルモデルとして、その火をともし続け、2008年に登場するニンジャ250Rにバトンタッチした。なお、本文中でもZZR250とZZ-R250の車名表記を併用しているが、カウル上の車名表記をみると、1993年を境に、ZZR250(ハイフンなし)となっている。カワサキからは、2004年モデルのリリース時に、ZZ-RとZZRの混在を、後者に統一するという案内があった(世界的な商標登録の統一)。バイクブロスでは、車名表記についてZZR250に統一した。