ガレージハウス足立神明
掲載日/2014年2月21日
取材協力/バリュープランニング
文/宮崎 正行 撮影/相澤 利一
構成/バイクブロス
20年以上乗り続けているニンジャ
バイク好きのガレージ、という言葉が想像させる個人ガレージのイメージは、たとえばこんなカンジだろうか。抜かりなくピカピカに磨かれた数々の旧車群、単色のツールボックスと壁面に美しくレイアウトされた豊富な工具。はたまた、雑多に詰め込まれた新旧のバイクとパーツ類、油の痕と土埃で覆われたフロア。男の性? 生来の収集癖? 「バイクに乗ってりゃ当然そうなるだろうよ」と、バイク好きはその様子を思い浮かべる。そう。ガレージは男のおもちゃ箱。
今回取材に応じてくださった石川 英彦さんは、そんなステレオタイプなガレージオーナーとはちょっと違った。さわやかな笑顔とともに開けてくれたシャッターの中を覗くと、スペース中央には誰もが「ニンジャ」と呼ぶカワサキ GPZ900Rがただ1台、ストンと置かれている。壁にかかるのは広大な自然の中でオフロード車と佇む石川さんの古い写真、ミニバイクレースのときに着ていたレザースーツ、新しめのゴルフバッグとパターマット、たくさんの日本酒の空瓶……。
お話を聞けばその写真は、大学を卒業してからワーキングホリデーを利用してカナダに渡り、1年間テント泊を続けながら長旅をした時のものだと言う。そのとき現地の個人売買で手に入れたカワサキのKLR650は、なんと4万キロもの距離を供にした。旅の途上では、延々800キロ続くダートを走り抜けて北極海も見た。
いつもバイクが中心にあった
思い立ったら即行動の石川さんだが、もともとモノを集めることに激しく愛情を注ぐタイプではないので、ひたすら持ち物が増えていったりはしなかったと言う。唯一の愛車であるニンジャ(A7)を手に入れたのは、北米に行くよりも前の学生時代。アルバイトで貯めたお金でローンを払った。とてもそんな年式には見えないコンディションのいい車体を見るにつけ、その相思相愛ぶりがうかがい知れる。
そんな石川さんが株式会社バリュープランニングの施工するガレージハウスに住むことになったのは、ある知人との小さな縁がきっかけだった。「なにがなんでもガレージハウスに住みたいぞ!」と、鼻息荒く物件を探したというわけではない。その当時は、まだまだガレージハウスという存在がバイク好きの間では知られたものではなかったし、自分にもたいした知識はなかった。だから実際に物件を見る前も、それほどガレージハウスのあるモーターライフをイメージできてはいなかった。
しかし“その時”はやってきた。現場でひと目見るなり、「なんとなくいいな」は「絶対に住みたい」に変わり、いまがタイミングとばかりにすぐに賃貸契約書を交わした。それから6年以上が経ち、最近3回目の更新を済ませたらしい。「気が付いたらあっという間ですね」と感慨にふける石川さん。いまの場所に長く住んでいる理由を聞いてみた。
ガレージハウスなしの生活は考えられない
ガレージで「ああしたい」、「こうしたい」という妄想先行ではなかった石川さんだが、そこでの生活をスタートさせて逆に、できることの多さを知ったと言う。
「ひとり住まいなので広大なスペースが必要なわけではありません。乗り物もガレージにバイク1台、外にクルマ1台だけ。でもむしろ、このくらいのほうがなんでも手に届くので使いやすいですね。気軽に友人が集まれるスペースにももってこいで、七輪で焼き肉をつつきつつお酒なんて最高。最近すっかりハマっているゴルフですが、気分転換にパターマットで練習するのも、テレビのチャンネルを変えるくらい気軽にできます(笑)」
唐突に始まったガレージライフだが、その良さは住んでみなければけっして分からない類のものだったらしい。だからというわけではないが、石川さんはみずから率先して『入居者の会』を年1回ほど開催する。同好の士が集まる、ガレージオーナー・ミーティングだ。それはまるで、「学生寮のようで楽しい」と言う。
「バイク好きとしてはあまりに理想的なガレージハウスなので、これから先、もしこれがなかったらと思うと……」と苦笑いする石川さんは何年か先、20代に走った北米を再訪するつもりでいる。そのロングツーリングから帰国したら、ガレージハウスの壁には新しい写真が飾られるのだろう。写真のなかの石川さんは、きっとまた同じ笑顔のはずだ。
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ガレージハウスに住んですでに6年が経過して、この生活にたいへん満足している様子の石川 英彦さん。
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ガレージハウス足立神明は1棟に3戸が入り、シャッター1枚分が1戸になる。石川さんの場合、クルマは外に。
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愛車であるカワサキ GPZ900Rを片側に寄せ、もう一方はフリースペースとしてゆとりのある空間にしている。
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愛車の整備で汚れた手はすぐに洗い流せるように、ガレージ内の一角に流しスペースが標準で設置される。
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壁の一方にはカナダに渡った時の一コマが。その時愛車にしていたカワサキ KLR650のナンバーもいい思い出だ。
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と思えば、あるコーナーには酒瓶が数多く並ぶ。季節の良い時は、ガレージで焼き肉パーティーなども楽しむ。
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ガレージハウス足立神明の場合、洗濯機スペースは住居フロアに上がる階段脇に設けられる。
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2階に上がると住居エリアになる。さすがにクルマ2台が余裕で入るガレージの真上だけに、ベッドを置いてもこの広さ。
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休養スペースの反対側には長大な仕事机が余裕を持って置かれている。けっして“ガレージ優先”のスペースにならないのもポイント。
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1ルームタイプなのでキッチンエリアとの仕切りを設置するのは難しいが、石川さんはすっきりとまとめている。
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トイレとバスルームが共有ではないところがうれしい。ラックなどをうまく設置してスペースを効率的に活用している。。
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バリュープランニングのガレージハウスの特徴のひとつに、浴槽の大きさが挙げられる。リサーチによると、ガレージ好きと風呂好きは繋がるそう。
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