Text / Kentaro SAGAWA Photo / Satoshi MAYUMI 取材協力 /ライディングアカデミー東京
ミドルキープを
基本に考えよう!
コーナリング中に「いつもイン側に寄り過ぎてしまう」とか「立ち上がりでアウトにはらんでしまう」などと感じている方、もしかしたらライン取りに問題があるのかもしれません。
ちなみに前者は「倒し込みポイントが早すぎる(ダラダラとインに寄ってしまう)」、後者は「クリッピングポイントが手前すぎる」などが原因になっていると考えられます。
ストリートでのライン取りの基本は「ミドルキープ」。直線でもコーナーでも、車線の真ん中を走ることです。これが一番安全。とは言っても、厳密にド真ん中を走り続けるのは難しいし、疲れてしまいますよね。なので、ここではミドルゾーンという意味でとらえてください。
私が実践しているのは「1/3ミドル」。これは自分の車線の幅を1/3ずつに分割して、その真ん中のゾーン内を走るという考え方です。一般道の幅は3m前後なので、この方法を実践すれば、左右に1mずつの安全マージンができることになります。スポーティに走りたい場合でも、ミドルゾーンの中でのアウト・イン・アウトであれば、たとえ失敗してもラインを修正する余裕があるわけです。
ライン取りはコーナーを安全に、スムーズに曲がるために必要なこと。正確なライン取りを普段からぜひ意識してみてください!
セーフティライン 穏やかにブレーキングしたら、目線でラインをトレースするようにして、車線のほぼ中央からコーナーにアプローチ。写真のように減速帯がある場合は、その頂点がちょうど車線の真ん中になるので目印にしてもいいでしょう。 |
| 旋回中もミドルキープ バイクを倒し込んで旋回に入っても、ラインは車線のほぼ中央をキープ。写真でも分かるように、走行ラインの左右には十分なスペース的な余裕があります。安全マージンが高いことは一目瞭然ですよね。 |
スポーティライン コーナー進入速度も高くなるため、旋回半径を稼ぐためにややアウト側からアプローチ。セーフティラインとの違いを見せるため、極端にアウトラインを通っていますが、実際はミドルゾーンの中で調整したいところです。 |
| 上半身も車線内に収める 旋回中も安全マージンを持ってイン側に寄ります。バイクは傾きながら曲がる乗り物なので、車輪が通るラインはミドルゾーンでも、上半身はさらに内側に入ってしまいます。空間的な安全マージンも含めてラインを考えましょう! |
| ライン取りの基本は「1/3ミドル」 サーキットにおけるコーナリングラインは、コース幅の端から端まで目いっぱい使った「アウト・イン・アウト」がセオリー。でも、コースミスが大事故につながるストリートでは、安全マージンを十分に取る必要があります。 |
タイトコーナーはV字ライン ローギヤで曲がるようなタイトコーナーの場合、速度一定でラインをキープするのは意外と難しいもの。そこでおすすめしたいのは「メリハリ走法」。直線的に減速して、コーナーではなるべくコンパクトに向き変え、そして直線的に立ち上がります。リズムをつかめば、気持ちよく曲がれますよ! |
| 複合コーナーはU字ライン ひとつのコーナーの中に2つの曲がり角があるような場合ですが、ここはワンランク上のライン取りにチャレンジ。ややアウトから進入して、先がさらに曲がり込んでいることが分かったら、少しアウトにはらんで再び戻ってきます。ひとつの円弧を描くイメージで滑らかなライン取りを! |
寝かせすぎに注意 ハーレーのようなクルーザータイプはバンク角が少ないので、寝かし込んで曲がるような走り方は向いていません。「でも曲がれないじゃん…」という方、ライン取りを少し工夫してみてください。コーナーの前半でバイクの向きを変えられるようなライン取りを意識しましょう。そのためには進入速度はやはり抑えめにするのがポイントです。 |
| 実はコーナリングマシン R1200GSは一見オフ車のようなスタイルですが、実はかなりのコーナリングマシン。縦置きクランク特有の軽快感があり、オフロードの高荷重に耐える車体ですから、しっかり剛性感もあります。元々足長なのでバンク時のロードクリアランスも十分。ESAを装備し、オンロードでスポーツを楽しめるセッティングが可能です。まさにオン・ザ・レール感覚! |