迷わず一回で
倒し込もう!
バイクでコーナーを曲がろうとするとき、車体をコーナーのイン側に向けて傾けていきます。これがバンキング、つまり倒し込みです。倒し込みにはキッカケ作りが必要です。低速であれば「目線を向ける」だけでバイクの向きを変えることも出来るでしょう。でも、速度が高まるにつれて慣性力も強く働くため、バイクは真っ直ぐに走り続けようとします。そこでバイクを曲げていくためには、いろいろな動作・操作が必要になってくるわけです。
キッカケ作りで最も基本となるのが体重移動。これは曲がりたい方向に上体を傾けて自分の体重をかけていく方法です。次はステップ荷重。体重移動と共にイン側のステップを踏むことで、より積極的にマシンを動かしていくことができます。さらに外ヒザでタンクをプッシュしたり、倒し込みと共に内ヒザをイン側に開くことでその反動を利用したりする方法もあります。
倒し込みで重要なのは「一回でバンク角を決めること」です。そのコーナーに適したバンク角まで迷わず倒し込むという意味です。そう書くと、一気にバタンと寝かすのかと思われるかもしれませんが、倒し込みの速さはゆっくりでも構いません。バンク角を探るような動き、いわゆる「2度寝かし」をすると初期旋回が得られないし、旋回中のバンク角が安定しないためライン取りも不安定になりがちです。
では、一回できっちり倒し込むためにはどうするか…。そこでポイント02「ライディングフォーム」で解説した「ヒザ擦り」のテクニックが必要になってくるわけです。
せっかくのサーキットですから、ぜひヒザ擦りを覚えてスポーツライディングを安全に楽しんでください!
| 一回で倒し込む コーナーへの進入で倒し込んでいくときは、最大バンク角まで一気に車体を傾けていきます。とは言え力まかせではなく、あくまでもスムーズに「スイーッ」という感じ。上体の力を抜き、ブレーキングで使っていた下半身のホールドを解きながら、イン側のヒザを自然に開いていくイメージです。 |
| 体重移動とステップワークの連動 倒し込みでは予め腰をイン側にずらして準備した状態から、下半身のホールドを解くようにヒザを開いていきます。さらにイン側の脇腹を緩めるようにリラックスしつつ腰を落とし込み、イン側ステップを踏み込む動作を同時に行います。体重移動とステップワークの連動によるキッカケ作りですが、これが出来るとどんなバイクでもクイックかつスムーズに倒し込んでいくことができます。ステップを踏み込む方向は真下ではなく車体に向けて。バイクをローリングさせるイメージを持つと分かりやすいでしょう。 |
| 腰の移動はスムーズに S字コーナーなどは腰の移動によってキッカケ作りを行います。写真は右コーナーから左コーナーへ切り返すイメージ。ポイントは腰の高さをなるべく一定にしながら、平行にスムーズに移動させること。たまに腰をピョコンと浮かせる人がいますが、せっかくの荷重が抜けてしまい、バイクの挙動が不安定になりがちです。手順としては開いていたヒザを閉じ、腰をシート上で滑らせるようにスライドさせてから反対側のヒザを開いていく、というように動作をパートに分けるとリズムを作り易くなります。 |
| 1本がけでコントロール ブレーキを引き摺る場合、レバーにかける指は1本が意外とおすすめ。制動のためではないので強くかける必要はありませんし、グリップに指をより多く残しておくほうが、繊細なスロットル操作がし易くなります。2本でも構いませんが、いずれにしてもスムーズに操作しましょう。特に重要なのは「リリースコントロール」で、レバーを緩めるときはじんわりと。ポンッと放すとフロントフォークが急に伸びてバイクの挙動が乱れる原因になります。 |