Text / Kentaro SAGAWA Photo / Satoshi MAYUMI 取材協力 /ライディングアカデミー東京
バイクとお近づきに
なりましょう!
「バイクに乗るのは好きだけど、取り回しはどうも苦手で……」という方はいませんか? たしかに大型バイクではひと苦労ですが、でもコツさえつかめば意外や意外!あまり力も使わず、楽に取り回すことができます。
ポイントは3つ。まず「バイクに体を寄せる」こと。バイクに接している部分が多くなるほど一体感は増して、取り回しがやりやすくなります。自分のほうに少しだけバイクを傾けて、腰をシートやタンクに当てると安心ですね。
次に「行きたい方向に体を向ける」こと。前進するときは当然、体を正面に向けますよね。同じように右や左へ曲がりたいなら、それぞれの方向に体を向けます。こうすることで、バイクの動きに無理なく追従できます。
そして「重力を利用する」こと。たとえば坂道なら下り方向に押せば楽ですし、平地で押すときも自分の体重を利用すると、重いバイクも意外なほど楽に動かせますよ!
腰で押す(前進) 取り回しでは、バイクをわずかに自分のほうに傾けて、互いに支え合うカタチをとると安定します。腰をシートやタンクの後ろ角に当てて、自分が前に倒れ込むようにすると、小さな力で大型バイクを動かせます。腕力はなくても大丈夫! |
| 体重を利用する(後進) 前進と逆のパターンで、シート脇やリヤシートとの段差あたりに腰を当てて、自分が後に倒れるようなイメージで体重をかけていくと、簡単にバックさせることができます。ハンドルを思い切り引っ張らなくてもいいのです。 |
シートを押す「○」 例えば駐車場など、平坦な場所で一気にバックさせたい場合はこんな方法もアリです。右手でシートを押しながら、ハンドルを持った左手で舵取りするのがコツ。目線や体の向き、爪先も後ろに向けている点に注目してください。 |
| シートを押す「×」 バイクに対して体の正面を向けて立つと、押すときに右手に力が入りにくくなります。また「カニ歩き」になりがちで、足がもつれるなどかえってバランスを崩しやすくなるので注意。左写真と上体や爪先の向きを比べてみてください。 |
体を向ける(右回り) 右回りの場合、自分からバイクが遠ざかるとともに自分のほうに傾いてきて、支えるのが辛くなります。ポイントは体ごと曲がる方向、つまり右側に向けていくこと。常にバイクから離れず、タンクにお腹を当てておけば安定感はぐっとアップ。 |
| やや後ろで支える(左回り) 体格にもよりますが、左回りの場合はやや後ろ寄りでバイクを支えたほうが、懐に余裕ができて取り回しやすくなります。体の向きはハンドルと同じで左を向くのがポイント。曲がるほうに車体が傾くので、右回りよりも小回りが利きますね。 |
腰を落として支える「○」 ハーレーのように重量級でシートが低い場合、思い切って腰を落とすなど、自分からバイクに近づきましょう。この場合も左切りバックが有効。ブレーキレバーに指が届かない場合は、ローギヤに入れてクラッチをブレーキ代わりに使う手もあります。 |
| 腰が引けると…「×」 バイクを反対に倒すのがコワくて、腰が引けてしまっている人がいますが、これは逆効果。取り回しを腕力に頼らなくてはならず、やたら疲れるし、この態勢でバランスを崩したら重量級バイクは到底支えられませんね。 |
安心して取り回しするためには、バイクに体を寄せて接点を増やすことがポイント。バイクとライダーが互いに寄りかかるような状態を作ることで、バランスがとれて楽に支え合うことができます。傾けすぎると逆に重くなりますョ。 |
| 車体から離れてしまう「×」 バイクから離れるほど不安定になりがちで、特にハンドルを切ったときにバランスを崩しやすくなります。ただし、ベテランや体力がある人なら、車体を垂直にして取り回したほうが楽な場合もあります。臨機応変ということですね。 |
R1200GSのように大柄で背の高いバイクなどの場合、体格によってはシートの位置が高すぎて腰で支えられないことも…。そんなときはタンクを小脇に抱えるイメージで、タンクを肘でホールドしてしまうと安定感が増します。 |
| 180度方向転換したい場合など、前進よりむしろバックのほうが楽にうまくいく場合が多い。バイクを腰で支えながらハンドルを左いっぱいに切り、自分の体重を預けるようにして下がります。止めたいところでブレーキレバーを握れば完了。 |