掲載日:2010年11月19日 公道スペシャリスト“白バイ流” 究極の安全運転テクニック
常に沈着冷静で威風堂々とした走り。そしてひとたび事件が発生すれば疾風のように現場に駆けつける…。「白バイ」は誰もが認める公道走行のスペシャリスト集団である。その極意とはいかなるものか。2009年度全国白バイ大会のチャンピオン、千葉県警の笹野巡査長を講師に迎え、ストリートを安全確実に走り続けるための考え方やノウハウをお伝えしよう。
走る・曲がる・止まるを
スムーズにつないでいこう
白バイが行うUターンは「小道路旋回」と呼ばれる特殊なテクニックである。独特な足の着き方もさることながら、エンジン回転数を上げつつ半クラの当て方で倒し込みをコントロールする高度な技術が必要になる。一般ライダーがそのまま使えるものではないが、「小さく曲がる」ためのヒントが詰め込まれているので参考にされたし!
白バイが行うUターンは小道路旋回と呼ばれる種目である。片側1車線を想定した狭いコースの中で素早く正確に180度ターンしなければならない。ここまでは単なるUターンだが白バイ流にはいくつか特徴がある。ひとつは発進前の後方確認。白バイの競技大会では、振り返り様にプラカードに表示された車種名を声に出して確認しなくてはならい。これは単に後ろを「振り向く」だけでなく、しっかり「目視している」ことを意識するため。百戦錬磨の白バイ隊員であってもやはり発進直後が最も危険だという。儀礼的なものではなく、自分と相手の安全を守るためでもあるのだ。
「白バイは通常、交通指導と取締りを業務していますが、緊急発進して違反車を追跡しなくてはならない場合もあります。このとき、焦っていきなり出てしまうと後方の車両と接触する危険性が高まります。事故を防止するためには、どんなときでも平常心を持って、安全確認を怠らないよう努めることが大事です」と笹野巡査長は語る。これは我々一般ライダーにもそのまま当てはまることだろう。
白バイ流Uターンのもうひとつの特徴は「足着きターン」であることだ。競技規則では足を出さなくてもいいが、安全・確実にターンをこなすための補助的な手段として使う。実技を見ていると、発進と同時に逆操舵で一気にバイクを倒し込むため、その勢いを止めるために一瞬「ポンッ」と内側の足を着いているようだ。ジムカーナなどで着いた足を軸にコンパスのように回る、いわゆるボックスターンとは異なる技術だ。
半クラの使い方にも特徴がある。発進では最初にかなり回転数を上げた状態でクラッチをつなぎ、半クラを当てっぱなしで旋回する。そして、半クラの加減によって自在にバイクを倒し込んだり起こしたりしているのだ。Uターンでは右足を出すので当然リヤブレーキは使っていない。通常のUターンではリヤブレーキで速度調整する方法もあるが、白バイの場合は半クラでそれを行っている。俊敏な機動力が求められる白バイの職務的な特性上、このような技術が編み出されたのだろう。
このように、同じUターンでも一般ライダーが行うものとは技術的に大きな違いがあり、そのまま真似することはおすすめしない。ここでは「安全確認の重要性」や「足を着いて安全にターンする」ことを参考にしてほしい。
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