大阪府大阪市北区から天王寺区に至る全長約4.5kmの大阪市道天神橋天王寺線。その天神橋交差点の南側の通称が松屋町筋だ。そして、南側の終点(天王寺公園)に近い一帯はさまざまなバイクショップがあり、国内唯一のバイクストリートを形成している。
バイクが庶民の重要な移動手段や運搬手段だった昭和20年代後半の頃に、小売店向けの問屋街として始まり、その後バイクが実用から趣味の世界へと変化する昭和40年代には個人客への小売りを主体とする方向になり、現在の街並みへと通じている。
アクセスとしての主要ターミナル駅は、難波と天王寺があり、いずれからも徒歩20分弱だ。難波からの途中には日本橋(にっぽんばし)の電気街があり、そこを経由して来るのも楽しい。また、最寄り駅としては地下鉄谷町線の四天王寺前夕陽ヶ丘駅、堺筋線の恵美須町駅があり、いずれからも徒歩5分程度。なお、地下鉄長堀鶴見緑地線に松屋町駅があるが、こちらからは少し遠い。しかしながら、人形や玩具、駄菓子などの問屋が多く、それを眺めながら行くのも良いだろう。また、バイクで来た場合にも駐車スペースが確保されているので、その際には各ショップで聞いてみればその場所も教えてくれる。
松屋町筋バイクストリートの魅力は、何と言っても在庫の豊富さにある。新車、中古車を合わせて5000台オーバーは確実。バラエティ豊かなバイク達を一挙に見られるのが、最大のメリットといえるだろう。もちろん見るだけではなく、実際に聞いて、触れて、跨れるのも大きなポイントだ。また各店舗の敷居は低く「見るだけ」であっても、決して嫌がられることもないことも特筆すべき点。だから臆することなく、是非とも気軽に足を運んでいただきたい。
すぐそばには、大阪の代表的なランドマークである通天閣もあり、その近くでは「大阪の味」を堪能できる飲食店も多数。またコアラのいる天王寺動物園や、重要文化財に指定されている建物がある四天王寺などの寺社も多数あり、観光の「ついでに」松屋町筋のバイクストリートを訪れてみるのも、面白いかもしれない。