ホンダ | HONDA VFR400R

車輌プロフィール

400ccのV4エンジンを搭載したレーサーレプリカモデル、VFR400Rの初登場は、1986年4月のことだった。以降、1992年モデルまで続くVFR400Rは、わずか7年の間に2回のフルモデルチェンジを受けることになる。最初のVFR400RことNC21型は、VF400F(1982年)の派生モデルとして84年に登場したVF400Fインテグラ(NC13)に続くV4エンジン搭載のフルカウルモデルで、同時にネイキッドスタイルのVFR400Zも発売されていた。エンジンは、VF400Fゆずりの399cc水冷4スト90°V型4気筒ユニットながら、エンジン上部のカムシャフト駆動をこれまでのチェーン式からカムギアトレーン式に変更し、高回転化に適合していた。また、エンジンをストレスメンバーにしたアルミツインチューブフレームを採用。コンベンショナルなダブルクレードル式だったVF400F系とは異なる「レーサー仕様」だった。87年のモデルチェンジでNC24型となったVFR400Rは、ここで片持ち式のリアスイングアームを採用。「プロアーム」と呼ばれた独特なスタイルは、ホイール着脱の容易さが求められるレーサーゆずりの構造で、NC24以降の外観的特徴になった。3代目のVFR400RことNC30型が発売されたのは、1989年1月6日。「昭和」が終わる一日前のことだった。点火プラグを小径化することで、吸排気バルブを大径化するなどのリファインを受けたエンジン、クロスレシオ化された6速ミッション、バックトルクリミッターを備えたクラッチ、小型軽量なデュアルヘッドライトの採用といった進化を受けていたNC30は、初代(NC21)が1年弱、二代目(NC24)が2年弱と短いスパンでモデルチェンジを繰り返したのに対し、約4年間生産された。そののち、1994年のモデルチェンジで、車名をRVFに改めた。

1987年 VFR400R (カタログメイン)
1987年 VFR400R 1987年 VFR400R
フルモデルチェンジ
1987年モデル
ホンダ VFR400R

フルモデルチェンジを受け、型式をNC24にあらためた。このモデルの最大の特徴は、新たに採用された後輪懸架装置。「プロアーム」と呼ばれた片持ち式のリアフォーク(スイングアーム)は、世界耐久選手権に投入されていたRVF750の技術を市販車に取り入れたもの。ホイール着脱の容易さや、チェーン調整の簡便化が図れるとされていたが、公道メインのモデルが頻繁にホイールを交換することはないので、レーサーらしい見た目の獲得が、採用の主たる目的だと考えられた。また、このモデルから前後シートが分割式になった。

基本スペック

タイプグレード名 VFR400R
モデルチェンジ区分 フルモデルチェンジ
型式 NC24
発売年 1987
発売月 3
仕向け・仕様 国内向けモデル
全長 (mm) 2010
全幅 (mm) 690
全高 (mm) 1125
ホイールベース (mm) 1375
最低地上高(mm) 130
シート高 (mm) 770
乾燥重量 (kg) 164
車両重量 (kg) 183
最小回転半径(m) 2.8
乗車定員(名) 2
燃料消費率(1)(km/L) 44.2
測定基準(1) 60km/h走行時
原動機型式 NC13E
原動機種類 4ストローク
気筒数 4
シリンダ配列 V型(L型)
シリンダバンク角(°) 90
冷却方式 水冷
排気量 (cc) 399
カム・バルブ駆動方式 DOHC
気筒あたりバルブ数 4
内径(シリンダーボア)(mm) 55
行程(ピストンストローク)(mm) 42
圧縮比(:1) 11.3
最高出力(PS) 59
最高出力回転数(rpm) 12500
最大トルク(kgf・m) 4
最大トルク回転数(rpm) 10000
燃料供給方式 キャブレター
燃料タンク容量 (L) 16
燃料(種類) レギュラーガソリン
満タン時航続距離(概算・参考値) 707.2
エンジン始動方式 セルフスターター式
点火装置 フルトランジスタ式
点火プラグ標準搭載・型式 C8EH-9
点火プラグ必要本数・合計 4
搭載バッテリー・型式 YB9L-B
エンジン潤滑方式 ウェットサンプ式
エンジンオイル容量※全容量 (L) 3.1
クラッチ形式 湿式・多板
変速機形式 リターン式・6段変速
変速機・操作方式 フットシフト
1次減速比 2.117
2次減速比 3.000
変速比 1速 3.307/2速 2.352/3速 1.850/4速 1.545/5速 1.333/6速 1.227
動力伝達方式 チェーン
スプロケット歯数・前 15
スプロケット歯数・後 45
チェーンサイズ 525
標準チェーンリンク数 106
フレーム型式 ダイヤモンド
キャスター角 26°10′
トレール量 (mm) 96
ブレーキ形式(前) 油圧式ダブルディスク
ブレーキ形式(後) 油圧式ディスク
懸架方式(前) テレスコピックフォーク
フロントフォークタイプ 正立フォーク
懸架方式(後) スイングアーム式
ショックアブソーバ本数(後) 1
タイヤ(前) 100/90-16
タイヤ(前)構造名 バイアス
タイヤ(前)荷重指数 54
タイヤ(前)速度記号 H
タイヤ(後) 130/70-18
タイヤ(後)構造名 バイアス
タイヤ(後)荷重指数 63
タイヤ(後)速度記号 H
ホイールリム幅(後) 3.5
スピードメーター表示形式 アナログ
メーター表示:エンジン回転計