ヤマハ | YAMAHA MT-09/SP/Y-AMT

新車価格帯(実勢価格)

車輌プロフィール

MT-09は、2014年に新発売された3気筒エンジンのネイキッドスポーツ。昔からのバイクファンに知られた「ハンドリングのヤマハ」という言葉や、ワンディングロード最速と称された初代YZF-R1(1998年)の存在にように、ヤマハというメーカーは、ライダーの意のままに操ることができることに重きをおいてきた(もちろん他メーカーもそうだろうが)。MT-09の開発コンセプトも、「シンクロナイズド・バフォーマンス・バイク」とあるように、乗り手の意思とシンクロするように操ることができることを目指したものであった。そのために用いられたのが、「クロスプレーンコンセプト」に基づいた新設計の3気筒エンジン(845cc)。燃焼によって生まれるトルクを効果的に用いるために、クランクシャフト回転による慣性トルクを少なくし、ライダーのスロットル操作に応じる後輪への出力フィーリングを重視したものだった。また、MT-09の車体構成は、スーパーモタードの要素をネイキッドスタイルに組み合わせたもの。これも、コントロールする悦びを目指したもの。日本国内での販売は2014年4月から開始され、ABS搭載仕様には、2016年モデルからトラクションコントロールも装備された。2017年には大胆なフェイスリフトを伴うマイナーチェンジを受け、ABS搭載モデルのみとなった。2018年モデルはカラー変更のみだったが、オーリンズ製リアサスなどを採用した上級仕様の「MT-09 SP」が追加設定された。2021年モデルでは、欧州のユーロ5規制に適合するとともに、スタイルを一新。エンジンは、従来型をベースにピストンストローク延長によって、排気量を888ccにまで拡大。出力、トルクともにアップした。最大トルクの発生回転は、従来の8,500回転時から、7,000回転時に引き下げられた。フレームもデルタボックスタイプの新型となり、6軸IMUを中心としたさまざまな電子制御技術も盛り込まれた。少し遅れてSP仕様も設定された。日本では、SPが2021年7月に、標準モデルが8月に発売された。2024年モデルで欧州のユーロ5+(プラス)規制をクリアするとともに仕様変更を受けた。スタイルの変更だけでなく、ライディングポジションが変わり、ハンドルバーは低くなり、ステップは後方、やや上側に設置された(いずれも調整可能)。これはモトクロッサーのYZシリーズにインスピレーションを受けたものとされた。シートは前後セパレートになってランバーサポートが付き、クルーズコントロールも装備した(2024年モデルの国内発売は、標準仕様が2024年4月、SPが7月だった)。また、2024年には、ヤマハが開発した自動変速機構「Y-AMT(ワイ・エーエムティ)」を搭載したモデルも追加設定された。Y-AMT搭載車には、クラッチレバーが存在しないため、国内のAT限定大型二輪免許で運転可能となった。※MT-09は、当初、北米市場において「FZ-09」の名で販売された(2015-17年)。その後、欧州や日本と同じMT-09に変更された。

2021年 MT-09 Storm Fluo(カタログメイン)Storm Fluo
2021年 MT-09Storm Fluo 2021年 MT-09Icon Blue 2021年 MT-09Tech Black 2021年 MT-09(リアビュー) 2021年 MT-09(メーター表示イメージ) 2021年 MT-09(ヘッドライトイメージ)
2021年モデル
ヤマハ MT-09

欧州の環境規制、ユーロ5に準拠するためにモデルチェンジを受けた2021年モデルのMT-09。水冷並列3気筒エンジンは、シリンダーボアはそのままに(78ミリ)、ピストンストロークを延長(59ミリから62.1ミリへ)し、排気量は889ccに拡大された。それに伴い、最大出力/トルクともにアップしたが、特筆すべきは最大トルクの発生回転数が、1,500回転引き下げられたこと。クロスプレーンエンジンらしいトルク感重視が、数値上の変化にも見てとれた。フレームは、アルミ製のデルタボックスタイプになりフレームまわりだけで約2.3kgの軽量化。約700g軽くなったホイールも含めて、全体で4kg軽くなっていた。さまざまな電子制御も投入され、クイックシフターはアップだけでなくダウンシフトにも対応。6軸IMUを搭載し、コーナリングABSやスライドコントロール、ホイールリフトコントロールなどが加わった。メーターは3.5インチのカラー液晶で、ウインカーにもLEDを採用した。※諸元及び画像は、欧州向けモデル発表時のもの(数値は英国仕様)/日本では「2021年春以降」に発売の予定

基本スペック

タイプグレード名 MT-09
仕向け・仕様 海外向けモデル
全長 (mm) 2090
全幅 (mm) 795
全高 (mm) 1190
ホイールベース (mm) 1430
最低地上高(mm) 140
シート高 (mm) 825
車両重量 (kg) 189
乗車定員(名) 2
原動機種類 4ストローク
気筒数 3
シリンダ配列 並列(直列)
冷却方式 水冷
排気量 (cc) 889
カム・バルブ駆動方式 DOHC
気筒あたりバルブ数 4
内径(シリンダーボア)(mm) 78
行程(ピストンストローク)(mm) 62.1
圧縮比(:1) 11.5
最高出力(kW) 87.5
最高出力(PS) 119
最高出力回転数(rpm) 10000
最大トルク(N・m) 93
最大トルク(kgf・m) 9.5
最大トルク回転数(rpm) 7000
燃料供給方式 フューエルインジェクション
燃料タンク容量 (L) 14
燃料(種類) ハイオクガソリン
エンジン始動方式 セルフスターター式
点火装置 フルトランジスタ式
エンジン潤滑方式 ウェットサンプ式
エンジンオイル容量※全容量 (L) 3.5
クラッチ形式 湿式・多板
変速機形式 リターン式・6段変速
変速機・操作方式 フットシフト
動力伝達方式 チェーン
フレーム型式 ダイヤモンド
キャスター角 25°00'
トレール量 (mm) 108
ブレーキ形式(前) 油圧式ダブルディスク
ブレーキ形式(後) 油圧式ディスク
懸架方式(前) テレスコピックフォーク
フロントフォークタイプ 倒立フォーク
懸架方式(後) スイングアーム式
ショックアブソーバ本数(後) 1
タイヤ(前) 120/70ZR17
タイヤ(前)構造名 ラジアル
タイヤ(前)荷重指数 58
タイヤ(前)速度記号 (W)
タイヤ(前)タイプ チューブレス
タイヤ(後) 180/55ZR17
タイヤ(後)構造名 ラジアル
タイヤ(後)荷重指数 73
タイヤ(後)速度記号 (W)
タイヤ(後)タイプ チューブレス
ヘッドライトタイプ(Hi) LED
テールライトタイプ LED
スピードメーター表示形式 デジタル
メーター表示:ギアポジション
メーター表示:燃料計
メーター表示:エンジン回転計
メーター表示:時計
メーター表示:ツイントリップ
車両装備:ハザードランプ
車両装備:アンチロックブレーキ(ABS)
車両装備:走行モード切り替え
車両装備:トラクションコントロール
車両装備:スリッパークラッチ
車両装備:シフトアシスト機構(クイックシフター)