ヤマハ | YAMAHA SR500
SR500は、1977年秋の東京モーターショーに「来春発売予定」として(SR400と共に)出展され、予告通り1978年3月に発売された。エンジンやフレームなどの基本設計は、デュアルパーパスモデルのXT500から受け継いだもの。大排気量の単気筒エンジンにつきものの振動や、始動性という難点を、XT500が解決していたからこそ、SR500とSR400という、後年ヤマハを代表することになるモデルシリーズが生み出されることになった。そんなSR500/400は、ロングセラーになっていく中で、「当時ロードスポーツとして誕生したSRが、時代を経て、往年のバイクらしい味わいを重視するモデルになっていった」とされることがあるが、そもそも登場の時点から、ビッグシングルは特殊なもの、SR500/400はマニアックなバイク、という認識があった。より正確に言えば、SR500は、登場した後に、よりトラディショナルな雰囲気を持つモデルへと、自ら変化していった。その代表的な例が、2度目のマイナーチェンジ(1985年)で、もともとディスク式だったフロントブレーキが、わざわざドラム式(ダブルリーディング式)に改められたこと。その後、数回の仕様変更を受けながら、ほぼ85年型の姿のまま生産が続けられ、発売20周年記念モデル(1998年)を経て、1999年モデルを最後にラインナップから外れていった。姉妹モデルのSR400が、幾たびもの排出ガス規制を乗り越えて生産されていった(2019年3月現在も現行モデル)ことを考えると、SR500は短命に感じてしまうが、21年間で大規模なモデルチェンジを受けなかったその歴史は、けして短いとは言えない。
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