スズキ | SUZUKI GSR250
2012年7月に発売された250ccのロードスポーツモデル、GSR250。中国市場におけるラグジュアリーモデルとして販売されていたGW250を、日本及び各国向けに導入しようというもので、そもそもの成り立ちから、軽快なスポーツ性能を持つ同時代の競合モデル(ニンジャ250RやCBR250R)と性格を異にしていた。エクステリアデザインは、ハヤブサのネイキッド・バージョンとして販売されたB-KING(2008年)のイメージを受け継いだもので、ヘッドライトからタンクにかけての造形は、たしかにあのハイパーモデルを思わせるものだった。248ccの水冷4スト並列2気筒エンジンは、シリンダー内径(ボア)よりもピストンストロークが長い「ロングストローク型」で、中低速域での扱いやすさを重視したものだった。250ccクラスとしては比較的重めな車重も、低い重心とあいまって、乗りやすさにつながっていた。2014年1月にはハーフカウル仕様の「GSR250S」が、同年9月にはフルカウル仕様の「GSR250F」が追加され、2017年モデルをもって生産を終了した。2010年代の250ccスポーツモデル人気の中で、独自の立ち位置を持っていたモデルだったことは間違いない。なお、GSR250系のエンジンは、2017年発売のフルカウルスポーツ、GSX250Rに受け継がれた。※GSR250は、米国と中国ではGW250として、欧州ではINAZUMA250(イナズマ250)としてラインナップされた。