スズキ | SUZUKI GSX-R1000/R
1990年代の終りから2000年代初頭、GSX-R1100W(4気筒)やTL1000S(2気筒)のリッタースポーツをラインナップしながらも、YZF-R1やZX-9R、ファイヤーブレードなどが覇を競いだした750cc超スーパースポーツカテゴリーでの争いを静観していたかに思えたスズキが、それらのライバルを倒すべく投入したのが、GSX-R1000だ。初期型のK1は2001年にデビュー(海外向け)。目立った新機軸はなかったが、スーパーバイクレース用マシンだったGSX-R750のノウハウを注ぎ込んだ「サーキットに強いバイク」だった。登場後は、この時代のスーパースポーツモデルらしく、短期間でのモデルチェンジを繰り返しながら進化していった。2005年モデル(K5)ではチタンサイレンサーを装備、2007年(K7)では後に当然の装備となるエンジンのモードセレクターを量産車として初めて装備、K9でエンジンを一新するなどの変遷があげられる。2010年にGSX-Rシリーズ誕生25周年、2016年に30周年を記念するモデルを投入したあと、2017年に完全新設計の6代目へとモデルチェンジした。ここでのトピックは、ハイグレードモデルとしてGSX-R1000Rが加わったこと。しかも、初めての日本仕様が設定されたこと(それもGSX-R1000Rが)だった。2017年7月の日本仕様導入時のリリースによれば、GSX-R1000は、2001年以来、累計20万台以上が販売されてきたとのことだ。2019年モデルでマイナーチェンジを受けることが、インターモト2018で発表されたが、その内容は、マフラー色やOEMタイヤの銘柄変更などだった。
GSX-R1000/R
03月11日
40グー!
クラッチセミ油圧化の改善その2
(完全油圧化の実施設計)
油圧シリンダーのピストンを2mm削るつもりだ。
まず図を確認。すると、もっと簡単な方法があると気付いたが、とりあえず開始。
ところが、懸念していたように、削りしろが全くない。ピストン上部にOリングが入っている。
そこで、さっき思い付いた方法をやってみた。最早、ぜんぜん簡単ではないのだが、散々バラしたことが良い裏目となった。
ピストンのエンドキャップを少し移動、シャフト動作用のスリーブを延長して、あとはネジ部で微調整は僅か30分。
体感だが、クラッチは純正比-40%程度。ニュートラルも軽やかに出る。またクラッチのミートポイントもレバー中程に位置し、もちろん2本指可能。図を書いたり、予想したり、改めて段取り八分だと思った。
今までのイージークラッチ、セミ油圧化の経緯から、レリーズの動きや仕組みが良く分かった。
当初、赤柴さんがコメントくださったとおり、完全油圧化を確かめる時が来た。
当初計画は①〜④まであり、最初から④の完全油圧化をやりたかったのだが、自信なくやるのがイヤだった。確実な推論を立てられるまでにしたかったのだ。
さて、当初計画の最後、完全油圧化だ。
何用か分からないAELLA32mmと比較検討の結果、隼純正33mmをコスパと流通で判断した。
そもそも、k1と同じ仕組みのレリーズは、プッシュロッドをレリーズセンターで押せているか、レリーズ本体が固定されているかの2点だけ注意すれはいい。
油圧、ワイヤーに関係なく、レリーズのストロークは2mm程度しかなく、逆にそれだけあれば、クラッチ接/切には十分だと言うことになる。
今までの試行から、どうにでも出来る気がする。やったから分かるのだろう。
多分、ここまでのプロセスがなければ、k7/8スプロケカバーと油圧レリーズのセットを探し続けていただろう。実は、1週間前2.55渋沢で競り逃している。当初の誓いに負け、競りにも負けてもいるのだが、負けて良かった。
最後の2択。一応Aをやる予定
A.バフ掛けしたスプロケカバー を使う
・レリーズ穴枠を母材面に揃えて削る
・レリーズ穴を+4mm拡大する
(備忘録、通常はプッシュロッドがレリーズピストンを押しているため、今回は、レリーズピストン受けの追加工はしない。よって、クラッチ板交換時など、クラッチレバーは握らないこと。レリーズピストンが押し出され、作動油が漏れてしまうかも)
・プッシュロッドを適正に作る
B.t5×w300×h200のアルミ板でレリーズホルダー(スプロケカバー)を作る。
・レリーズ穴のセンター出し
・プッシュロッドを適正に作る
・あとは好きにデザインする
以上、完全油圧化の実施設計。
長かったがもうすぐ終わってしまう。
GSX-R1000/R
03月10日
36グー!
クラッチセミ油圧化の改善
自分の場合、ラジポン19φ、油圧シリンダー14φの組み合わせで、シリンダーシャフトは12mm動作した。
状況
・さほど軽い印象ではない。
・ニュートラルが出し難い。
・レバーはグリップまで握れない。
グリップまで握れないと言うこは、「レバーには引きしろが残っている」と言える。
改善策の検討
シリンダーシャフトのストロークを稼ぐには、シリンダー内の容積を増やす必要がある。
シリンダー容積は、シリンダー径とピストンストロークで決まる。シリンダー径を大きくすれば、マスター側のレシオが下がり、レバーは重くなってしまう。
一方、ピストンストロークを大きくすれば、回路内の油量が増え、レバーストロークが長くなるが、レシオには影響ない。
レバーには引きしろが残っている。ピストンストロークを大きくするなら可能かも知れない。
よって、現状を条件として、シリンダーシャフトを14mmストローク(2mm増やす)するとどうなるか、AIに聞いてみた。
レバーストロークは、7.6mm増えるとの答えだ。
レバーとグリップの間は、まだ余裕がある。ピストン2mm削りは行けるとの計算だ。
改善策
「油圧シリンダーのピストンを削り、ピストンストロークを増やす」
但し、削ることが可能な部品なのかは、慎重に確認しなければならない。
GSX-R1000/R
03月09日
53グー!
クラッチセミ油圧化の試運転
思っていたより、いい。
ラジポン19φ、油圧シリンダー14φの組み合わせ。
感覚的な表現だと、ワイヤーは「出来るだけ握り込む」だが、油圧は「あるところまで握る」だ。
かっちりした終わりがあり、グリップまで握れないので2本指OK。
さほど軽い印象ではないが、握り込めないことが、楽に感じる。
自分は止まる前にニュートラルにする癖があるため、余り不便には思わないが、止まるとニュートラルが出し難い。
レリーズのストロークが12mmなので、シリンダーの作動量として少ないのだろう。
また、クラッチ接〜半クラ〜クラッチ切までが狭い。これも多分、レリーズストロークが理由。
よって、油圧シリンダーのピストンを少し削り、作動量を2mmくらい増やせればと思っている。
k7スリッパー転用は、やらなくても良いと思っている。そのくらい、楽になった感じがする。
GSX-R1000/R
03月07日
34グー!
クラッチセミ油圧化の下準備
今日はテレワークだが、こっちのワークに力を入れた。
別途購入したスプロケカバーには、機械式レリーズが着いていたため、これを使うつもりで、過日バフ掛け+切り込みしておいた。
まず、社外の油圧シリンダーで、機械式レリーズを正規に動かせるようにした。
油圧シリンダーは、シャフトを介し、連結した機械式レリーズアームを動かす仕掛けだ。
しかし、レリーズアームへの取り付けボールエンドナット部が長過ぎる。
k1に着ける場合、スプロケカバー内が狭く、ボールエンドナット部が長過ぎると、カバー内で干渉し、シャフトの自由長が1cm程度になってしまうため、クラッチが切れなくなる。
またシャフトの素材が柔らか過ぎるために曲がりがあり、シリンダー内でかなりの抵抗になっていた。
よって、sus3mm棒でシャフトを製作したが、シャフトの太さが問題だった。
購入した油圧シリンダーのシャフトは2.5mm。そんなsus棒、売ってないだろう。
3mmでイケるでしょ!とたかを括っていたが、3mmではシリンダーに入らなかった。
卓上旋盤で3mm棒を回し、ヤスリで削って2.5mmにすることにした。シリンダー内で動くステンレスの丸棒を、万力で丸く0.5mm削るのは無理だと思う。
また油圧シリンダーをスプロケカバーにネジ込んで取り付けるのだが、アルミのシリンダーとネジ部は一体構造。
シャフトが通るネジ部は、シリンダーの重さと振動で剪断するだろう。
よって、アルミ板を切り出しステー状に補強、シリンダーのクランプ部は、タオル掛け棒の両端を支える部品を転用した。
以上を午後から5時間かけて行い、下準備が完了。明日朝乗ってから、いよいよセミ油圧化!楽しみだ。
GSX-R1000/R
03月06日
45グー!
k1重クラッチ対策の再考
k1のクラッチは重い。既に対策を始めたが、もう一度良く考えてみることにした。
まず、k7/k8の油圧レリーズについての推論だ。
油圧レリーズのストロークは、マスターが押し出したオイル量であり、レバーのストローク量とクラッチの重さとのバランスを加味した結果である。
と言うことは、機械式に比べ、油圧レリーズのストロークは短い(レバーのストロークから長くできない)のではないか。
現に、油圧レリーズのk7/k8のクラッチプッシュロッドは、k1と比較して長い。機械式レリーズより、油圧レリーズの作動ストロークが少ないからと言える。
よって、k7/k8油圧レリーズに替えた場合、クラッチプッシュロッドを長くしなければならず、レバーが遠くなる、クラッチ接〜半クラ〜切の調整がかなりシビアになると思っている。
続いて、スリッパークラッチについてだ。
記憶では、当時VFRがプロアームになった頃、スリッパークラッチは、バックトルクリミッターと呼んでいた。
しかし、それ以降、各社メーカーではスリッパーを採用していなかったはず。景気が悪い、コストが掛かることが理由だろう。高ければ売れないからだ。
一方、私がリターンした現在のバイク市場は、スリッパー一色でバイクは高くても売れるが、その反面、ユーザーは快適性も高いレベルで求めている。
その中でも、近年はワイヤー式が多いと聴くが、クラッチが重いとの声は余り聴かない。
これは「ワイヤー式は、クラッチの重さに関係しない」であり、k1のクラッチが重いのは、「スリッパーでない」からと言う理屈が立つ。
以上、長々話しを踏まえ、gsx-rだ。
k5以降は、スリッパークラッチを純正採用している。レリーズは、k5/k6がワイヤー式、k7/k8が油圧式、k9以降はまたワイヤー式に戻っていると言うことは、スリッパーは軽い、スリッパーならワイヤー式で良いと言うことだろう。
そこで、k1にスリッパーが着くのかを調べた。
k1用の社外スリッパーは、STM等々あるが15渋沢くらい。自分にとっては高値過ぎる。
そこで、参考例は探せなかったが、純正転用と言う考えだ。
k1〜8のエンジンは、排気量は違えど構造は同じと言う認識だ。
クラッチケースも、外郭とネジ穴は同じだと思う。違いと言えば外見上、k5〜7のクラッチケース中心にスリッパー調整用の蓋がある程度だ。
k1に純正スリッパーを着ける際の注意点は、パーツリストを見る限り、k1クラッチプレートの中心円内に 、スリッパーASSYが入るかだと思う。
とりあえず、乗れないと困るので、k1の軽クラッチ化は、セミ油圧式とし、ラジアルマスター〜k1スプロケカバー〜油圧シリンダー〜機械式レリーズを用意した。今週末、セミ油圧レリーズ化する予定。
また、既にk7純正スリッパークラッチ、k5純正クラッチカバー&ガスケットを購入。人柱になることを決め、今後は必要部品を集めることにした。