車輌プロフィール
2008年に登場した1400GTR(北米名コンコース14)は、国境を越えて走りつづけることをイメージした、コンチネンタルツアラー。名称の上では、欧州向けモデルとして2000年代前半まで生産された1000GTRの後継モデルという位置付けになるが、構成上は、2006年に登場していたカワサキの旗艦モデル、ZZR1400(北米名ニンジャZX-14R)に対するグランドツアラーモデルというポジションにあった。搭載される水冷直列4気筒エンジンは、ZZR1400用1,352ccユニットをベースにしたものだった。大きなカウルと標準装備されたパニアケースが、ツアラーであることを如実に示しているが、見た目には分かりにくいものの、ZZR1400の23°に対して26.1°に変更されたキャスター角、ZZR1400よりも60ミリ長いホイールベースなどのフレーム構成面でも、安定性重視の設定がみてとれた。駆動方式はメンテナンスフリーのシャフトドライブ。2010年にはマイナーチェンジを受け、カワサキ車初となるトラクションコントロールシステムを装備。グリップヒーターが標準装備となるなどツアラーとしての機能強化も図られた。2015年のマイナーチェンジも、ライダーサポートと快適性の向上が中心。1速のギア比を変更して発進しやすくなったことや、ウインドスクリーンにエアベンチレーションを設けて、高速走行時のライダーへの負担を軽減したことなどが挙げられた。なお、ZZR1400(ZX-14R)は2012年のモデルチェンジで排気量を拡大したが、1400GTR(コンコース14)は1,352ccのままだった。※欧州向けにはすでにカタログ落ちしているが、カワサキのUSAサイトでは、コンコース14がラインナップされている(2018年3月現在)。