カワサキ | KAWASAKI W650
かつてのロードスポーツWシリーズを復刻するイメージで、1999年から発売されたのがW650だった。往年のWが当時のスーパースポーツだったのに対し、20世紀末という時代は、W伝統のバーチカルツイン(並列2気筒)エンジンに、造形の美しさや回転のフィーリングを求めた。そのため、W650は「美しいモーターサイクルを作りたい」というカワサキの思いが結晶したモデルだとされた。空冷エンジンのシリンダーに取り付けられる冷却用のフィンにさえ、形や枚数へのこだわりが示されるほど。カムシャフトをベベルギアで駆動する675ccの並列2気筒SOHCエンジンは、パワーの追及ではなく、味わいを表現することが主眼になるなど、W650は一貫してライダーの感性に訴えるモデルだった。約10年間続いたモデルライフを、2009年4月に発売された「ファイナルカラー」(モデルイヤーは2008年)で終え、その2年後に登場するW800へとバトンを渡した。
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