カワサキ | KAWASAKI Z H2
Z H2(ゼット・エイチツー)は、2019年10月の東京モーターショーに出展され、2020年からの発売(日本でも)が発表された新型ネイキッドモデル。スーパーネイキッドとして展開されてきたZシリーズの新しい旗艦モデルであり、Zとして初めて過給機(スーパーチャージャー)付き並列4気筒998ccエンジンを搭載することにもなった。このエンジンは、ニンジャH2(2015年-)用に開発されたものがベースで、ストリートユースのネイキッドモデルに適した、低中速回転域でのスムーズな加速感を重視したセッティングがなされていた。ニンジャH2系のエンジンを搭載するとはいえ、フレームは新設計の専用品で、この時代のZシリーズが共有していたデザインコンセプト「sugomi」(凄み)を体現しつつも、同時代のZ1000やZ900とは異なるフロントマスクが与えられていた。これは、過給機へのエアインテークダクトを設けていることに影響を受けたもので、ネイキッドでありながら、ヘッドライトがフレームマウント(ハンドル操作によって「首」を振らない)なのも同じ理由と思われた。さまざまな電子制御システムを搭載し、メーターパネルはTFTカラー液晶だった。なお、「H2」は、2スト3気筒の750SSこと「ナナハンマッハ」(1971年)に由来するネーミング。スーパーチャージドエンジンが生み出す強烈な加速が、大排気量2ストエンジンのそれを21世紀に再現したかのようであることがイメージされていた。そこに「Z」(1972年登場のZ1こと900スーパー4に与えられた型式名称)を合わせることで、70年代前半にカワサキのスポーツイメージを作り上げた、ZとH2というネーミングが、同じモデルの名称に表現されることになった。2024年モデルで、平成32年(令和2年)排出ガス規制をクリアした。※2020年11月に、海外向けに電子制御サスペンションを採用した「SE」が発表された。