【コラム】アドバンテージ流カスタム(ハイカムの勧め) #03
ADVANTAGE(アドバンテージ)のブログ
前回に続き、ハイカムについてのお話です。我々の考えはどのようなエンジンでも、チューニングと言えば必ず『キャブレター+マフラー+ハイカム』がひとつの方程式のような感じに思っております。ハイカムが無ければチューニングなんて成り立たないし、パワーを出すことなんて出来ない、と言っても良いくらいです。それ程、カムシャフトに対する信頼は大きく、依存度も高いと言えます。
製品化までの流れについては、短期的な試乗テストで良い場合でも、何千キロと走る中には致命的な磨耗も呼んでしまう可能性があるので要注意です。私の見る限り、過去においてカスタム向けのハイカムとレース用のハイカムは全く次元の違う物でした。ストリートで目指すべきは乗り易く扱い易い、尚且つチューニング的難易度の低い物でないと一般的には普及し難いでしょう。
レース用は限界まで詰めていくので、神経質でとても難易度の高い物です。近年ではピークパワーは勿論のこと、扱い易さやレーシングコースを“点”で走るのではなく、速いところをつないで最終的に点を繋げて“線”にし、1周を満遍なく速く走れるような物を、全てのレーシングパーツで考えています。
ストリートにおける過去の海外製品のハイカムの定義は、どうもカム山の高さにしか無いようです。調べてみると、高さ方向に0.5~1.0mmほど高い製品が多かったと思います。米国ではドラッグレースが流行っており、パーツサプライヤーも多くのパーツを投入しています。それらは非常にユーザーとレースの世界が近いと言えます。海外製のハイカムはドラッグレース由来が多く、カム山の高さには驚くような物も少なくありません。「アクセル戻さないのかよっ!」という感じでした。これらを流用するのは、好ましくありませんよね。
一部のユーザーからはバリバリのレース用を組みたいとの要望もありますが、それはオーバースペックです。コストと使用目的とのバランスから見ても、とてもその対価に見合うだけの物のではありません。そのような物を組み込めば、一般公道ではエンジン回転がバラつく、アイドリング不良など、日常的に簡単に扱える代物ではないという事を念頭に置いて頂きたいですね。